つわりで寝込んでいた妊娠初期はもちろん、安定期に入った今も仕事をセーブせざるを得ない日が続いている。
モデルの活動は休止しているため収入は当然0。
成果物を提出してはじめて収入が得られるライターは収入が0になることはないものの仕事量を減らせば収入は減る。
そんな中で新刊を出していなくても在庫が売れれば収入が得られる作家の仕事は、今の私にとって重要な収入源だ。
「今マジで収入がアレしてるから、この機会に作品買ってくれると超助かる!」
妊娠して以来、思うように仕事ができなくなり収入が不安定になった私は複数の友達に頼むこともあった。
しかし実は今までの私は友達にこうして「作品買って」と頼むことはほとんどしてこなかった。
なぜかと言うと相手になんだか申し訳ないと気をつかってしまっていたからだ。
……という風に自分を偽るのはやめる。
「こいつにこういうことを頼んだらめんどくさそうだな」
という本音を「申し訳ない」というすけすけぺらぺらオブラートに包んでいたため、私は友達に「作品買って」と頼まなかった。
確かにこれまでに「買って」と頼んではいなくとも「作家をやってます」「作品を販売しています」と言っただけで本当にめんどくせぇ反応をされたことは何度かある。
そういう相手ほど「応援してる」アピールにやたらと時間とエネルギーはかけてくるので、私は彼ら・彼女らを「口先だけの薄っぺらい人」と蔑んできた。
実際に作品を買うかどうかはここでは関係ない。
そもそも「作家になりたい」「作家をやってます」とずっと言ってきた人間を本当に応援し、友達だと思っていたのなら、その人が作品を販売することは別に驚くことではないはずだ。
例えどんなに口では肯定的なことを言っていたとしても、これまでに「作家になりたい」「作家をやってます」と言っていた人間が作品を売っているのを見て驚いてしまったとしたら、それは自分が相手の才能を認めておらず、本当にできると信じていなかっただけのこと。
「でも、逆の立場だったらどうだろう?」
ライターもモデルもできなくなり、収入源が作品の売上のみとなったとき、私はふと考えた。
これまでも私は友人と会う時に自分の夢や目標をそれなりの熱量を込めて語ってきた。
あれだけ熱量を込めて夢や目標を語っておきながら、それを実現させる段階になってそれについて語らなくなる人間を人は信じるだろうか?
それにこれはあくまでも私個人の感じ方だが私の場合なら、
「あんなに私に夢を語ってくれたのに、こういう時に頼られないということは私は信頼されてなかったということか」
と思ってしまう。
ついでにそれが「書籍」という値段の相場が数百円からせいぜい2千円程度のものだったとしたら、
「私、めっちゃドケチって思われてたのかな?」
と思ってしまう。
だから過去にその相手と具体的に何かがあったわけでもないのに「こいつめんどくせぇことになりそうだから頼むのやめとこ」と考える私の姿勢も大概傲慢で相手を見下した態度だった。
人の気持ちは目に見えるものではないため、私も「友人」たちが腹の底で私をどう評価しているかなど私に知りようがない。
だとしたら私は「相手は私のことを認め、本当の意味で応援してくれている」という前提に立った上で相手に接するのが相手に対する礼儀だろう。
私はこれまでそれができなかった。
妊娠し、いざ収入の危機に瀕した時、友人たちに「作品買って」と言えるようになったのは、私が少し成長したということなのだと思う。
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現在妊娠しており、
普段通り仕事ができないため、
収入が激減してしまいました
作品の売り上げはそのまま
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