「お嬢様キャラ」で親しまれ、俳優、歌手、テレビ番組の司会などマルチに活躍した、女優の朝丘雪路(あさおか・ゆきじ、本名・加藤雪会=かとう・ゆきえ)さんがアルツハイマー型認知症のため4月27日に死去していたことが19日、分かりました。


82歳。東京都出身。
葬儀は故人の希望で家族葬で営まれました。

アルツハイマー型認知症とは、認知症の一種で、国内の認知症患者の約7割を占めるとされます。
症状が進むと家族の顔が分からなくなったり、家に帰る道が分からなくなったりします。
脳が収縮して神経細胞が減少していく病気で、進行すれば大脳皮質の機能が大きく失われ、歩くことや座ることも困難になります。
さらに、ものを飲み込む機能や呼吸、心拍をつかさどる機能も失われます。
直接の死因が別の疾患でも、それを誘引したのがアルツハイマーの場合、アルツハイマーを死因とすることがあるようです。


2014年4月、娘で女優の真由子(44)がプロデュースした時代劇ミュージカル「花や…蝶や…」に、夫で俳優の津川雅彦(78)とともに出演したのを最後に芸能活動を休止して、自宅で療養していました。


朝丘雪路さんは、1935年7月23日生まれの「昴宿」です。

「昴宿」は、十二宮の中では、目的意識が強く行動的な「羊宮」に一足、自分の信念に忠実な「「牛宮」に三足属しており、この2つの宮の影響を受ける宿です。
十惑星では、情熱的で意欲的、強い意志とチャレンジ精神を持つ「火星」と、愛情豊かで平和的、洗練された品位と創造性の「金星」の影響を受けています。

人体の中では頭に当たり、「昴」という字のスバルという読み方は、「統べる」という意味に由来するように、何でも頭の中で一つにまとめようとするところがあります。
「昴宿」生まれは、27宿の中で最も強い「引き立て運」を授かり、名誉と名声、環境に恵まれます。


言葉による表現力に優れた「昴宿」は、話し方や態度が優雅で、とても魅力的な人。
知的向学心のある明晰な頭脳の持ち主で、芸術的で都会的なセンスがあります。

五感に優れており、美しいものが何よりも大好きなので、美的で快適な環境造りの才は抜群です。
生まれながらにとても気高い性質を持っていて、有形の物に対する欲はさほどなく、目に見えない精神的なものを重要視します。

表向きは温厚なイメージでも、内側には情熱的なところも秘めており、かなり複雑です。
底抜けに無邪気で子供っぽく、いたずら好きな一面もあるでしょう。


朝丘さんの父は、日本画家の伊東深水さん。
その父から溺愛されて育った朝丘さんは、お嬢様キャラに加え、奔放、天然発言でも注目を集めました。

3歳で日舞の世界に入った朝丘さんは52年、宝塚歌劇団に入団。
当時は男役、娘役の格差が今ほど大きくなく、退団は55年と在団期間は短かったものの、娘役としての人気、評価はとても高いものでした。

退団して以降は、女優や歌手などマルチに活躍しました。
57年に「星は流れる」でNHK紅白歌合戦に初出場。
60年代には「11PM」でアシスタントを務め、お茶の間の人気を集めました。
司会の大橋巨泉さんが、胸の大きな朝丘さんを「ボイン」と呼び、これが当時の流行語になります。

11年に旭日小綬章受章。

私生活では67年に内科医師と結婚しますが、72年に離婚。


73年に再婚した津川とは、おしどり夫婦として有名でした。

その朝丘さんは14年4月4日、兵庫・宝塚大劇場で行われた、劇団100周年の祭典に出演。
八千草薫、大地真央、黒木瞳ら大勢のOGのもと、真矢みき(当時)進行のトークイベントに登場し、自らを「裏口入学」と言い、共演者をあわてさせたことがありました。

娘を溺愛する伊東深水さんを心配した、劇団創始者の小林一三氏が心配していたのは事実だそうです。
両氏は知り合いであったといい、朝丘さんは「宝塚に入りたいって父に頼んで(宝塚音楽学校には)裏口入学したの」と発言。
客席から爆笑とともにざわめきも起こったのです。

もちろん、現在のような音楽学校の受験制度は確立されておらず、詳細は定かではありません。
父の伊東深水と小林一三氏が旧知の仲だったことから、自身を「裏口入学」と表現したようです。

このユーモアのセンスは、まさに「昴宿」と言えるでしょう。

慎んでご冥福をお祈り致します。