日本は四角が多くなったと思う。
街を歩けば四角いものに満ち溢れている。

サラリーマンが会社に行けば、
四角い部屋の中で四角い機械を触り、
さらに四角いキーを押して、
いまの日本が回っている。

私は四角が多い世界は苦手だ。
四角はとても正しく、そして大量生産が可能であり、
場所もとらず、効率的である。
一方で四角はとても排他的であり、どこにでも嫌という程あり、四角でなければならないイメージが付きまとい、窮屈で、退屈である。
なんてつまらない場所だろうかと思った。
デートで45階から夜景を見た時は
私には美しいとは思えず、儚さと脆さを感じた。
この瞬間この下で
心から笑っている人がどれだけいるのだろうかとも思った。

だからそこから抜け出してみた。
わたしの始まりはここからになる。

とある発展途上国に行った際、
そこにはいびつで未完成なものが沢山あり、
私はとても心地よく感じた。
それは多様性や緩さや穏やかさを現しているような気がした。

私は若くはない。
若い方に伝えておきたい。

四角い世界が当然ではなく、
四角が嫌ならいくらでも君の居場所はある。
君が本当に欲しいものはなんだい?
よく考えてごらん。
そして欲しいものは手に入れるのでも、
与えられるものでもない。
自らつくるものだと私は思う。