出発2時間前までに連絡がなければ中止にしようと決めた矢先、シナから別の場所で釣りをすると連絡が入る。
しかしそのポイントに入る許可を取るのが急すぎて難しい難しいとLINEでしつこく強調するシナ。
正直、ウザいし胡散臭かったwww
極論を言ってしまえば難しいのはどうでも良くて、俺達は釣りが出来るのかどうかはっきりしてほしかった。
シナ:難しけど多分大丈夫。フォービドゥンフォービドゥンフォービドゥン
とにかくフォービドゥンが飛び交うチャット欄。
とりあえずテヘランへ向け飛行機に乗り込む。
行ってみてダメならチケットを取り直して帰ろう。
ま、これも遠征では良くある事で怒っても悲しんでも自然には勝てない。
羽田からドーハ経由で約20時間、テヘランに到着。
イランの空港はもっとセキュリティーが厳しいかと思っていたが、日本人だからか?かなりゆるかった。
そしてシナの姿はなかった。
連絡するとタクシー運転手に代わってくれればリーズナブルなホテルを支持すると言う。
おい!!迎えにくるって言ったじゃんwww
あんだけ「迎えに行くから心配するな!!マイフレンド」って言ってたじゃんwww
つーか!!?
ホテルも取ってないとかおかしいやろwww
お前何なんだよマジでwww
シナ:空港は駐車代が高いからタクシーで首都まで来て。後はタクシー運転手に代わってくれれば大丈夫。良さげなホテル指示すっからさ
うざい、なんか違う気がする。
シナうぜえwww
仕方なく首都行きのタクシーに乗り込もうとすると日本人カップルと思われる男女が話しかけてきて、タクシーをシェアしないかと提案される。
タクシーシェアなんて初めてお願いされて正直戸惑った。
シェアなんかせずにカップル水入らずのタクシードライブしろや!!!
カップルは安宿をすでに探し当てているようだった。
タクシーをシェアし、カップルの目指す安宿へ向かう。
道中、話を聞くとカップルは付き合っては居なく南米でバックパック中に知り合って今回イランへ二人で旅行にきたらしい。
カップル(偽)を安宿で降ろし、運転手にシナの電話番号にかけてもらい指示を仰ぐと暫くしてシナがやってきた。
結局、カップル達が探しあてた安宿がベストプライスだったようでそこに宿泊。
ぜってー此処より安い宿あるだろうし、俺らはもっと高いホテルでも良かったんだが?クーラー無くて暑いんだが??
なんか行き当たりばたったり感が凄くて嫌なんだがwww
宿泊手続きを済ませレストランへ、明日からの作戦を聞きながら遅めの昼食を取る。
とにかくシナから出る言葉がフォービドゥンという単語が多くて耳につく。
どうやら俺らが行く場所はかなりやばいらしい。
カメラがヤバいカメラがヤバいと兎に角うるさい。
写真を撮りに来ている水口さんは一体どうなるのだろうか?
荷物を少なくしろといきなり言われるが、どうする事も出来ないので全部持って行こうと仲間内で決まった。
そして当初約束していた料金から500ドルくらい値上がっていた。
聞いていた金額より少し多めにしか持ってきていない俺たちは焦った。
金がない・・・最悪皿洗いするしか・・・。
とりあえず有り金のドルを全て払い、残りは帰国後に支払うことで手を打ってもらう。
こんなことならもっと金を持って来ておけばよかった!!
タイシが持って来なさ過ぎたのが一番の問題なのだが!!!
国内で使用するリアルすら両替していない所を見るとかなりの確信犯臭がタイシの毛穴から匂ったのは言うまでもないのだが
シナ:明日は朝7時半の国内線で移動するから空港まで来てね~マイフレンド
そう言ってシナは去って行ったが、その30分後に連絡が入り、6時半に変更になったから五時半に空港へ来るよう言われた。
迎えにきてくれないのかシナ?
色々とホスピタリティに欠ける事がありすぎて釣行自体が不安になってくる。
テヘランに着いてからも一向に喋ろうとしないタイシ。
大丈夫かタイシ!?
目が覚めると午前三時。
相部屋の水口さんはまだ夢の中のようだ。
彼の目覚ましがスヌーズ機能で何度もなるが起きようとしない。
隣部屋のタイシとター君を覗きに行くと珍しい事に起きていた。
何でも蚊の猛攻で眠れなかったようだ。
空港までの距離がよくわからないため早めに出ることに。
ホテルのオーナーに空港までのタクシーを二台準備してもらうが、ターミナルはどこだとしつこく聞かれる。
ターミナルどこなの。
逆にこっちが聞きたいんだがwww
電車の路線図を見ているとターミナルは1-6まで存在する事がわかった。
おいシナどこのターミナルなんだよふざけんなよwwwww
大事な事がかなり欠落してるぞ!!
俺達の向かう場所はターミナル2だと判明。
タクシーに乗り、空港へ向かった。
オーナーの話では30分近くかかると言われ、大事をとって早めに出発。
しかし空港まで意外に近く首都から15分余りで着いてしまった。
タクシーから降りるとポーターの少年に無理やり荷物を奪われ100mも離れていない入り口までの道のりで1000000リアル(3000円くらい)もボラれた。
安宿と同じ金額なんだが!?
中東の文字が読めなさ過ぎて色々と調子がくるってしまう。
普段ならこんなボラレ方しないのに!!!!!
チケットを持っていない俺たちは空港に入ることが出来ず、シナの到着を待つも少し遅れるというメッセージを残し、空港の外で待ち惚けをくらった。
5時前、釣竿を持ったイラン人が此方に近づいてくる。
どうやらシナの友人らしく彼はハミンと名乗り、俺らの釣行についてくるようだ。
お前が来るとかシナからなんも聞いてないんだが?
空港前で待つこと1時間30分ようやくシナが来た。
カウンターへ行くとカメラを出せと言われ、全員のカメラを回収される。
なんでも機内持ち込みがダメらしい。
国内線で約1時間のフライトの後、車二台に分かれ、クゼスタンと言う地域にある小さな村へ向かう。
カメラで空港や主要施設を撮影しようとするとやたらとシナに注意され色々とやりにくい。
暫く走行すると、景色に秘境感が出てきて心が躍る。
途中、荒野に佇む売店でポテトチップとギンギンに冷えた水を買う。
渇いた喉に冷たい水が染み渡る。
ポテトチップを食べていると運転席から手が伸びてくる。どうやらポテトチップを食べたいようだ。図々しいドライバーだと思いながらポテトチップを一掴み差し出すと「テンキュー!!!」と甲高い声が聞こえてきた。
俺とター君は長旅の疲れか車に揺られ眠りにつく。
一方その頃、タイシと水口さんの乗る車はシートベルトをしてなくて警察に捕まっていたwww
大丈夫かイラン?wwwww