おなじピアスを着けていた
私とおなじ形と色をしたそれは
その人へ花を添えるようにきれいだった

おなじ時間、空の下で息をしているのに
雰囲気も服装も何もかもが違う人
まるで春のよう

公園でひっそりと桜を見あげてみた
まだ咲くには早い時期
まだかまだかと待っている
なぜ、こんなにも孤独なのだろう
春の陽気のなかで私は右耳に触れてみた
こぼれる涙に気付かないふりをして
片方だけのピアスへ








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しの つばさ