春のかげ春を愛していたそれはあの人が好きだったからそう遠くない未来に私は死ぬらしいあの人の影を追いかけながら暖かい陽射しのなかを歩いていたあの人は桜に夢中だったまだ咲きはじめたばかりの桜を見つけては写真を撮っていた春に恋して春に死すながいまつ毛の下に伏せられたビー玉みたいな瞳は桜だけを写していたしの つばさ