宇山佳佑さんの作品を読むのはこちらで2作品目となります。

はじめて呼んだのは「桜のようなぼくの恋人」だったのですが、こちらの作品はまた後ほどレビューを書かせていただきたいと思います。

 

 

 

 

脚本家をめざす健司と映画のフィルムから出てきた、おてんばなお姫様のお話で、この作品は映画になっていたので観に行かれた方も多いでしょうね。残念ながら私は観に行くことが叶わなかったので、小説でこの作品を楽しみました!できることなら映画館で動く彼女たちをとても見たかったです。

 

小説を読む頃には映画が公開されていたのでキャストもはっきりと認識があり読み進めたので、自分の中でカメラのアングルやカットを決めて映画を楽しむように空想して読めたのが、この小説の私なりの楽しみ方になったのですが、綾瀬はるかさん演じる美雪姫は似合う!!の一言につきました。凛としているお姫様としての美雪も興味を示しあれは?それは?と聞いている姿も強がっている姿も勇敢に立ち向かう姿、いたずらっこのような表情、すべてがつまっていました。

そこで私は一つ思ったのです。

敬愛し、憧れであるオードリー・ヘップバーンのようだと…。

そう思いながら読んでいた彼女に私の中ではっきりとした意志が見えてきたような気がしたのです。思ったのは中盤あたりからなのですが、そう思わせてくれたのも健司の存在がとても大きくあります。

 

彼は通い続けていたロマンス劇場で、ひたすらに彼女に恋をしていた。

ロマンス劇場で映画を再生している間だけが2人の会える時間であり、永遠に交わることのない時間をすごしていたある日、大きな雷が落ちます。その雷によって2人は出会うことができるのでした。

モノクロ映画から出てきた美雪には、この世界のすべてが不思議でしかたありません。今でこそあって当たり前の色も彼女にとっては初めて見るものです。

どんな気分なんだろう。

自分の日常と何もかもが違う世界で美雪はたった1人、とびだしてきtのです。映画の中に居たお供は誰ひとり居ない世界で恐怖などはなかったのだろうか?目に映るすべて物が新鮮でそちらに気をとられていたとしても、やはり怖いものではないのだろうか?ましてや目の前にいる男は知らない人で白黒の肌では目立つからといって半ば誘拐するように自分を連れ出した男を不審には思わないのか?そう、疑問に思いながら読んでいたのですが答はきっちりと美雪本人の口から聞けるのでとてもスッキリしました!笑

 

ロマンス劇場で出会った彼らの言葉にも行動にもロマンス、そんな言葉がしっくりくるお話だったと思います。

冒頭に書いてある、チャールズ・チャップリンの言葉で「浮浪物、紳士、詩人、夢想家、孤独な人、皆いつまでもロマンスと冒険に憧れているんだ。」この言葉からお話を書き上げたかのようにこの一言につまっています。

ロマンスは誰の心にだってあるもの。

ときめく気持ちを私は忘れたない。いつだってドキドキとワクワクと弾む心に踊るように身を任せたいのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

素敵な作品をありがとうございます。

今夜、ロマンス劇場で/宇山佳佑

 

しの つばさ