「しょう…ちゃん?」
そう呟いた彼の声は
降りしきる雨音に掻き消される事なく
耳に流れ込んできた
俺に言ったのかな…
他に誰もいないし
彼の目は自分に向けられている
戸惑う気持ちが顔に出ていたのか
俺の表情の変化を感じ取り
ハッと我に返った様子の彼が
慌てて頭を下げてきた
「あ、すみません…あなたが、と…
知り合いに似ていたんで…
あの…ナンパとかじゃないですからね?」
「ハハ…大丈夫ですよ
そんな事、思ってませんから… 」
突拍子もない彼の言葉に
思わず笑ってしまったけれど
それが却って良かったのか
彼もホッとしたような
柔らかな笑顔を見せた
うわ…
笑うと可愛い…
花束を抱えて佇む姿は美しく
どことなく近寄り難いオーラを
漂わせていたが
笑うとまた違う雰囲気で
こぼれるような笑みに魅了された
「雨…止まないですね… 」
スッと近付いて来た彼が
ニコッと人懐こい笑顔を向ける
それだけでドキッとさせられている自分は
これがもし本当にナンパだったら
簡単にお持ち帰りされていたかもしれない…
「これからお参りですか?」
ドギマギする気持ちを誤魔化すように
彼の持つ花束に指をさして、尋ねてみると
「あ、この花は父のお見舞いで…
お参りの後に病院へ行こうかと
ついでに買ってみたんですけどね…
花なんて柄にもなかったかな… 」
「いや!似合ってますよ!」って
俺は何を力説しているのだろう…
「ありがとう…」
ちょっと照れくさそうに、はにかんだ笑顔が
また可愛いくてドキドキする
落ち着け俺!
相手は男だぞ!!
早鐘を打つ心臓を抑えようと
そう心の中で叫んでみた
育った環境が環境なだけに
愛のカタチに偏見はないけれど
だからと言って自分は
同性愛者ではない
なのにこんな
まるで恋の始まりみたいな…
これが可愛い女の子なら
最高のシチュエーションなんだろうけどね…
雨はまだ激しく降り続いている
時折ゴロゴロと響くだけの雷鳴が
稲光と共に段々と近付いてきた
音が大きくなるにつれ
彼の身体がビクッと反応し
ピンと立っていた耳が伏せる
「あの…もしかして雷…
怖いんですか?」
「怖いっていうか、大きな音が苦手で…
ホラ、俺たちみたいなのは耳が良いから…」
あっ!そうか…
犬族の聴覚は
人の倍以上だっけ
あんな音が大音量で聴こえれば
そりゃ怯えもするか……
──あれ?
何だか昔…
雷を怖がっていたコがいたような…
「ひゃ… 」
一瞬、辺りを青白い光が包み込み
バリバリと凄まじい音が空を切り裂いた
頭を抱えて身を竦める彼を
目にした瞬間…
考えるよりも先に
身体が動いた
恰もそれが当然のように
昔からそうしていたように…
「大丈夫…大丈夫だよ…
傍にいるから……俺が守ってやるから… 」
突然の雨に、偶然同じ場所で
雨宿りをしていただけの二人
名前も知らぬ彼の身体を
俺は強く抱きしめていた…
。.゚:✿。.゚+:✿。.゚+:✿。.゚+:✿。.゚+:✿。.゚+:✿。.゚
お葉翔ございます
本日は息子の学年が主催の
野球大会の決勝戦ですが…
雨で自宅待機中です( ̄_ ̄ i)
雨が止んだら
即、決行みたいですが
何時になるかと
落ち着きません…
まぁ7/1に延期より
マシだけどね( ̄▽ ̄;)
↑MUSIC DAYリアタイするから(笑)
♫君の名ぁ〜まえ~
聞かずダキぃ~シメえ~ルぅ~♫
名前も知らぬ君との
運命の針が動き出しました(笑)
やっと『 I Want Somebody』っぽい話に
なってきたでしょうか(;^ω^A
この曲をイメージして
書いておりますが
これって潤さまがメインで
歌っている曲なんですよね…
なのに櫻葉さんの
お話にしてしまうのは
↑次世代編だけどイメージは櫻葉さんだし
櫻葉erだから
仕方ないですよね( ー̀ωー́)゙
前回のお話から
随分と時間が経ってしまい
お智達から
どんな話か忘れるから!と
クレームが来ました(笑)
↑忘れたら1話から読み返してね♡
次はなるべく早く
更新出来るよう
頑張ります( ̄▽ ̄;) ←出来るかな?
話は変わりまして…
小林麻央さんの訃報に
鳥肌が立ちました
自分も彼女と同じ
進行性の乳がんでしたので
他人事とは思えません(_ _。)
がんはリンパに転移していたので
発見がもう少し遅かったら
全身にがん細胞が散らばって
今ここに存在していなかった…
今も尚、再発に
予断を許しませんが
生きているコトに
感謝しなければね…
麻央さんも
もう少し発見が早ければと
残念でなりません
幼い我が子を残して旅立つコトは
さぞ無念だっただろう
子供達にしてあげたいコトが
いっぱいあっただろうなと思うと
涙が溢れます…
海老蔵さんの会見を
拝見して泣き
翔さんの涙に
涙腺崩壊でした(´;ω;`)
だけど最後まで
生きるコトを諦めず
病気と向き合って
闘ってきた麻央さんを
本当に尊敬しています
子供達の心にも
力強く生きたお母さんの姿が
きっと残されていると思うから…
だから麻央さん
どうか安らかに…
心からご冥福を
お祈り致します(。-人-。)