母の心配 | あしたもいっしょ

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生きてりゃ誰もが通る道「わたし編」

母には2つの心配事があった。
その内の1つが父との生活のことだ。

当時、私の父母は地元から車で約1時間のところにある地方都市に住んでいた。
貸家にしていた持ち家が空いたことをきっかけに4年前に引っ越していった。

そこは車がないとどこへ行くにも不便な住宅街。

父は引っ越して間もなく少しずつ奇行が見られるようになっていた。
3車線の大通りで車で逆走するなど、自分の命どころか他所様の命まで危険に晒す可能性があることを何度か繰り返し、母が無理やり車を手放させた。

病院へ行くにもバスを乗り継いで行かなければならない。

それよりもこれからどんどん辛い状況になっていくのが分かっていながら、自分の世話を父には任せられないという不安が大きかった。

「お父さんこんなだから、これから二人で暮らしていく自信がない・・・。」
自分の人生をきちんと終わらせたい、
だけどこのままではどうしていいのか分からない・・・
と、突然、最期を間近に感じ焦っていた。

そんな母の心配をよそに父は相変わらず。
一つ覚えのプレステで麻雀ゲームに一日中耽っていた。