ソウル
斗山ベアーズ(DOOSAN Bears)
斗山(トゥサン)ベアーズは当初、大田を縁故地としていましたが(当時はOBベアーズ)、1985年にソウルに移転しました。韓国プロ野球が発足した1982年と、1995年、2001年に韓国シリーズで優勝した名門球団です。
蚕室野球場を本拠地球場として使用するLGツインズとは「蚕室のライバル」です。LGとの試合が開かれるときは斗山選手は戦意を燃やし、観客はいつになく熱狂的に応援を繰り広げます。この2球団がポストシーズンゲームで対戦する場合、同じ球場でダッグアウトだけを変えるので「ダッグアウトシリーズ」とも呼ばれています。発足時の斗山の名選手としては、致命的な負傷をしながらも復活を果たした「不死鳥」のパク・チョルスンがおり、1982年のプロ野球元年に22勝を記録し(1982年当時、レギュラーシーズンの試合数は80試合)、その年に球団を優勝させMVPを受賞しました。1997年に 15年間の選手生活を終えて引退し、彼の背番号21番は永久欠番となりました。斗山のスタープレイヤーにはキム・ドンジュ、キム・ヒョンス、キム・ソヌがいます。キム・ドンジュは国家代表の4番打者として名声を高め、キム・ヒョンスは最高の左打者として知られており、キム・ソヌはメジャーリーグでも活躍した投手です。 |
インフォメーション
監督:キム・ジヌク
本拠地球場:ソウル蚕室野球場
球場へのアクセス:ソウル地下鉄2号線「総合運動場駅」5番・6番出口
オフィシャルサイト:www.doosanbears.com
(韓国語・英語) |
 |
ソウル
LGツインズ(LG Twins)
斗山は根性あるチームとして知られていますが、LGは華麗なプレーで有名な球団です。LGツインズのスティックバルーンにも華やかな赤い色が使われています。
1990年に「MBC青竜(チョンニョン)」という球団名であったのを現在の名称に変更し、1990年と1994年には韓国シリーズで優勝して爆発的な人気を得ました。
毎年、最高の観客動員数を記録していますが、近年の成績は低迷続きです。
2002年に準優勝してからはポストシーズン進出を逃し続けており、2003年から昨年までの順位は6位、6位、6位、8位、5位、8位、7位、6位、6位となっており、プロ野球史上初、9年連続でポストシーズン進出に失敗するという痛い過去を持っています。
投手のキム・ヨンス、イ・サンフン、打者ユ・ジヒョンなどがLGの歴代スターです。LGの前身・MBC青竜のペク・インチョンは監督兼選手として活躍し、韓国プロ野球史上唯一の4割打者です。
LGのスタープレイヤーにはイ・ビョンギュ、パク・ヨンテク、イ・デヒョン、イ・ジニョン、ポン・ジュングンなどがおり、LGツインズの栄光の日の再現に向けてリードしています。 |
インフォメーション
監督:キム・ギテ
本拠地球場:ソウル蚕室野球場
球場へのアクセス:ソウル地下鉄2号線「総合運動場駅」5番・6番出口
オフィシャルサイト:www.lgtwins.com
(韓国語) |
 |
釜山
ロッテ・ジャイアンツ(LOTTE Giants)
ロッテ・ジャイアンツに触れずに韓国プロ野球を語ることはできません。プロ野球でもっとも熱狂的なファンを持つロッテは、「球都」と呼ばれる熱い釜山そのものです。
ロッテはファンの独特な応援の仕方で有名で、観戦後にゴミ拾いをするためのオレンジ色のビニール袋を頭にかぶり、各選手の応援歌を熱唱します。このような応援の仕方は韓国のすべてのプロスポーツの発展モデルとして提示されてます。
ロッテは1982年に創設され、1984年と1992年に韓国シリーズで優勝しましたが、2001年からは4年連続で最下位を記録し、球団最悪の記録を残しました。その後、韓国プロ野球では初めて外国人の監督を迎え、トップ4に返り咲きました。
伝説的な名選手としては、韓国プロ野球歴代最高の投手の一人とされるチェ・ドンウォンがいます。また、2010年に打撃部門7冠王、9試合連続本塁打世界新記録、ワンシーズン44本塁打を記録し、日本のオリックス・バファローズに移籍した巨砲イ・デホもまた、ロッテ・ジャイアンツが生んだ最高のスターの一人です。 |
インフォメーション
監督:ヤン・スンホ
本拠地球場:釜山社稷野球場
球場へのアクセス:釜山地下鉄3号線「総合運動場駅」9番出口
オフィシャルサイト:www.giantsclub.com
(韓国語) |
 |
光州
起亜タイガース(KIA Tigers)
起亜(キア)タイガースは韓国シリーズを10回も制覇した最高の名門球団です。1983年に優勝し、1986~1989年に連続優勝、1991年、1993年、1996年、1997年に優勝、そして2009年にもう一度韓国シリーズを制覇し、韓国プロ野球史上、空前絶後の大記録を作り上げました。
起亜は光州、全羅道を縁故地とし、虎をマスコットとして使用しています。以前の「ヘテ・タイガース」を継承し、2001年に起亜タイガースに球団名を変更しました。起亜はロッテ・ジャイアンツと同じく熱狂的ファンの多いチームです。本拠地球場だけでなくソウルで試合が開かれるときも大勢の観客が集まり、白熱した試合と応援合戦を繰り広げます。三星ライオンズとは古くからライバル関係を維持しています。
起亜は最高の名門球団にふさわしく伝説的なスターを大勢輩出してきました。キム・ボンヨン、キム・ソンハン、ハン・デファ、ソン・ドンヨル、イ・ガンチョル、イ・ジョンボム、イ・デジンなど、1980年~1990年代のプロ野球を代表するスターはほとんど虎のユニフォームを着て活躍しました。この中で伝説的な投手として知られているソン・ドンヨルは日本でも活躍したことがあり、2012年には、プロ野球選手として最初に所属していたチームの監督に赴任しました。最近ではメジャーリーグで打者として活躍したチェ・ヒソプや投手ユン・ソクミン、ヤン・ヒョンジョンなどが名声を引き継いでいます。 |
インフォメーション
監督:ソン・ドンヨル
本拠地球場:光州無等野球場
球場へのアクセス:西光州駅バス停留所から89番、98番、151番などの市内バスに乗り、「無等競技場入口」で下車。約10分所要。タクシーを利用すると運賃は約3,000~4,000ウォン。
オフィシャルサイト:www.tigers.co.kr
(韓国語) |
 |
大邱
三星ライオンズ(SAMSUNG Lions)
起亜タイガースとともに試合経歴で肩を並べる球団が、大邱を縁故地とする三星(サムスン)ライオンズで、韓国シリーズで9回も準優勝したことがあります。
ライバルの起亜が80年代・90年代に優勝を重ねていたとき、三星は90年代までなかなか優勝することができず、屈辱感を味わい続けました(1985年には前・後期とも三星ライオンズが優勝したため、韓国シリーズを行なわずに三星ライオンズが優勝チームとなったことがあります)。そのようなとき、起亜の優勝神話を築き上げたキム・ウンニョンを三星に監督として迎え、2002年に悲願の韓国シリーズ初優勝を果たしました。その後、同じように起亜出身の伝説的投手であるソン・ドンヨルが監督に就任し、2005年と2006年の2年連続で韓国シリーズ優勝を成し遂げました。
三星は最高の打者を輩出しており、56本の本塁打を放ち、アジア本塁打新記録を打ちたてた韓国最高の巨砲イ・スンヨプがここの出身です。イ・スンヨプは2012年に日本での選手生活を終え、9年ぶりにプロ野球選手として初めて所属していたチームに復帰しました。また、2010年に引退したヤン・ジュンヒョクはプロ野球通算最多安打(2318本)、最多本塁打(351本)、最多打点(1389打点)、最多得点(1299得点)などの大記録を達成し、皆から「神」と呼ばれました。さらに三星といえば本塁打王のイ・マンスを語らずにはいられません。ゴールデングラブ賞5年連続受賞(1983年~1987年)、打撃トリプルクラウン達成(1984年)、本塁打王・打点王3連覇(1983年~1985年)などさまざまな記録を打ちたて、現在はSKワイバーンズの監督として活躍しています。現在、三星を代表する選手としてはリーグ通算最多セーブ記録を持つ投手オ・スンファン、2011年に本塁打王に輝いたチェ・ヒョンウなどがいます。 |
インフォメーション
監督:リュ・ジュンイル
本拠地球場:大邱市民運動場野球場
球場へのアクセス:大邱地下鉄1号線「大邱駅」1番・2番から徒歩約15分
オフィシャルサイト:www.samsunglions.com
(韓国語・英語) |
 |
仁川
SKワイバーンズ(SK Wyverns)
起亜タイガースと三星ライオンズが昔からの強い球団ならば、21世紀最強の球団はSKワイバーンズです。2007年に韓国シリーズで初優勝し、最近5年間(2007年~2011年)は韓国シリーズに連続で進出しました。その中で3回もレギュラーシーズンと韓国シリーズで同時に優勝して野球界を驚かせ、2010年の韓国シリーズでは三星を4連勝で制圧する威力を見せました。
当時、SKの戦力の核心となっていたのは監督のキム・ソングンです。「野球の神」と呼ばれる最高齢のキム・ソングン監督は、2007年に就任するやいなやSKを初優勝へと導きました。8球団の中で最高レベルといわれる選手の練習量は、SKを非常に短期間で全球団が警戒する球団へと成長させました。2012年からはキム・ソングン監督の後をイ・マンス監督が引き継ぎ、全力を注いでいます。
SKの本拠地である仁川文鶴競技場は、野球観戦のための最高の施設が整えられています。外野にはバーベキューゾーンやグリーンゾーンなどが設けられており、ファンはピクニック気分を楽しみながら野球の観戦ができるようになっています。 |
インフォメーション
監督:イ・マンス
本拠地球場:仁川文鶴競技場
球場へのアクセス:仁川地下鉄1号線「文鶴競技場駅」2番出口
オフィシャルサイト:http://www.sksports.net/Wyverns/main.asp
(韓国語・英語) |
 |
大田
ハンファ・イーグルス(HANWHA Eagles)
1986年にピングレ・イーグルスという名で創設され、1993年に現在の球団名となったハンファ・イーグルスは、大田を縁故地とする球団です。ハンファは投手・打者の伝説ソン・ジヌとチャン・ジョンフンが活躍した球団として有名です。ソン・ジヌは1989年から2009年まで21年間も活躍し、通算最多勝、通算最多投球回、通算最多奪三振などの様々な記録を達成しました。チャン・ジョンフンは90年代初めに3年連続ホームラン王にのし上がるなど、三星ライオンズのヤン・ジュンヒョク以前にすでに「記録の男」という愛称を持っていました。2009年にソン・ジヌの引退試合のときにボールを受け取った投手は、現在のプロ野球最高の投手として活躍中のリュ・ヒョンジンです。新人であった2006年にすでに三冠王(最多勝・セーブ王・最多奪三振1位)を達成し、「怪物」という愛称で呼ばれた彼は、伝説的投手ソン・ドンヨルの系譜を引き継ぐ最高の投手として認められています。メジャーリーグで124勝を挙げたパク・チャンホが2012年にハンファに合流し、日米韓の3ヶ国で勝利を記録した最初の韓国人投手となりました。1999年、ハンファは韓国シリーズで初優勝を果たしました。 |
インフォメーション
監督:ハン・デファ
本拠地球場:大田ハンバッ野球場
球場へのアクセス:大田地下鉄1号線「中央路駅」3番出口から出て、604番の市内バスに乗り、「ハンバッ総合運動場」で下車。
オフィシャルサイト:www.hanwhaeagles.co.kr
(韓国語・英語) |
 |
ソウル
ネクセン・ヒーローズ(NEXEN Heroes)
ネクセン・ヒーローズは斗山ベアーズ、LGツインズと同じくソウルを縁故地とする球団ですが、今まで歩んできた道は決して平坦ではありませんでした。球団の創立と売却が繰り返されながら、仁川、水原などと縁故地も変わり、青宝(チョンボ)ピントゥス、太平洋(テピョンヤン)ドルフィンズ、現代ユニコーンズと球団名も変わりました。2008年にソウルに定着し、現在はネクセン・ヒーローズという名で試合を続けています。
1982年の創立時の成績は低調でしたが、水原を縁故地とする現代ユニコーンズ時代には韓国最強球団との名声を博しました。1998年に続き、2000年~2004年まで韓国シリーズ優勝を成し遂げましたが、2008年にスポンサー会社が経営難に陥って解散し、その後ヒーローズ球団として生まれ変わりました。人気は激減してしまいましたが、近頃は試合でガッツあるプレーを見せており、ヒーローズ再建に努めています。
20勝投手のチョン・ミンテ、盗塁王チョン・ジュンホなどが現代ユニコーンズ時代に活躍したスターで、最近は投手ソン・スンナク、打者カン・ジョンホがその系譜を引き継いでおり、2012年には、韓国人として初めてワールドシリーズ優勝を経験した投手キム・ビョンヒョンが合流し、人気を集めています。 |
インフォメーション
監督:キム・シジン
本拠地球場:ソウル木洞野球場
球場へのアクセス:ソウル地下鉄5号線「梧木橋駅」3番・4番出口
オフィシャルサイト:www.heroes-baseball.co.kr
(韓国語) |