あくまでも自分で無い人の仮想現実として、患者の気持ちになれないと真のラポールはうまれないと思う。

だいたいの疾患はいろいろな手段を用い、いろいろな辛さや痛みを経験してきた。完全健康体の俺が骨折をチャンスにデッロテップ使って便秘を経験したり、数日寝るの耐えて幻覚見たり、シロップ使って堪え難い吐き気を体験したり。

要介護者の同じ体の動きになれる装具もつけてみたし、完全真っ暗闇の盲目の世界も体験した。

アメリカで死後の世界と言われる変な音を左右別に聞いて脳波をいじるみたいなのも体験したし、ノロを体験したいがばかりにカキをどか食いしたりもした。

そんな意味不明な修行をしてきたからか、未知の疾患もこんな感じなんだろうなあと言う察しがつくようになってきた。

なので、エビデンスどうしたこうしたいってる連中には絶対に負ける気がしないのだ。

そもそもエビデンスですべて語れるなら問診コンピューターで事足りる。オペはすべてロボットが行う時代は必ずくるだろうし、放射線科専門医加算もなくなり、読影ロボ加算とかが付く時代もくるだろう。そもそも俺が放射線科医だった15年ほど前にも画像上の特徴をハイイイエで答えて行くと疾患に行き当たるという恐ろしい洋書があり、当時の片山学長にもう神はいない。直居先生にも髪は無い。そして、放射線科医にも明日は無いから、ジェネラルやると泣きついて転科を了承してもらったことがある。

なんにせよ、すべては機械化され、医療費は抑制され、機械ではない事をできる医者のみが生き残れる時代がくる事は想像に固く無い。日本国内にのみ目を向けての話だが。

ジェネラルに移り、エビデンス重視の風潮に全く迎合できず、まあヤブ医者にならない程度の暗記はしてみたが、結局ジェネラルロボから治療家になれたと思ったのは家庭医学というか訪問診療を始めて数年がたってからだった。

原因不明の下肢の皮下出血を見て、やれ膠原病だ出血傾向だと外来では調べまくりずいぶん医療費を無駄遣いしてきたが、なんのこと無い家の家具の配置が足をぶつけてしまう原因なだけだったり、まあ似たような医者が病気を作ってしまっていたことに多く気づいた。

しかしながら、未だに全く感覚が分からない事がある。

生理痛だ。

全く理解できない。休みがあまりにも多い職員の首を切り、えらく傷つけた事もある。未だに反省している。

中学校の時に体育の石山先生に思いっきり金蹴りを喰らい、股間から流血はしたがやはりそんな痛みとは違うらしい。

しかし、結局理解できないので必要以上に生理痛の人には優しくなれる。これが体験できた時、生理休暇の職員に罵声を浴びせるか、そうなの~大変なのよね~となぜかおかま言葉になるか、それが楽しみだ。

あ、おかまになっても体験できんか。
なしなしになっても体験出来ぬ、その謎の疾患が今一番の興味だ。ネットで夜明けまで調べるぜ。

いつもながらの不明なオチで、モヤモヤモだ。そして、世にも珍しい生理痛の痛みがわかる唯一の医師として再出発だ。

と思ったら世の半数の医者はその気持ち分かるんだった。


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