言葉の責任 | スマイリーキクチ オフィシャルブログ『どうもありがとう』 powered by アメーバブログ

言葉の責任

先日、川崎市で13歳の少年の尊い命が奪われる、痛ましい事件が起こりました。

現在、ネット上には犯人を特定したと、顔写真や名前が書き込まれ、掲示板やTwitterなどで拡散しています。

これは警察が名前を公表した訳でもなく、明確な証拠もない、情報提供者の素性さえもわからない、不確かな情報です。

一部の人は正義感だと思っているようですが、言葉の集団リンチを繰り返す、私的制裁のように感じました。

書き込みがデマであろうと、事実であろうと『拡散希望』に便乗して、リツイートをした時点で、犯罪行為になってしまいます。

URLを貼り付けて投稿しても同罪です。

そうなれば名誉毀損罪で、相手に訴えられる危険性があります。

『みんながやってるから』『正義感でやった』が常套句のようですが、一切通用しないんです。

※名誉毀損罪の時効は3年。

警察が犯人逮捕と発表した瞬間、加害者の年齢に関係なく、ネット上には氏名や住所、家族構成など様々な情報が流布すると思われます。

真実の他に、憶測までも伝播され、瞬く間にデマが真実のように化けてしまう世の中。

加害者が未成年者だとしたら、少年審判が開かれ、付添人が『インターネット上に名前や顔写真が拡散して、社会的な制裁は受けた』と意見を述べ、それが考慮されて、軽い処分が下されたら・・・

ネットの掲示板に書き込んだ人達や、SNSで拡散させた人達は、どのようにして責任を取るのか。

自分の行動を肯定する為に、命を奪われた少年や遺族の『敵討ち』と主張するかもしれません。

しかし、遺族の方々は『代理制裁をして下さい』とは、今現在も一言も発していないんです。

悪逆非道な行為をしたのに、未成年だからという理由だけで、軽い処分なんて許せない。

その感情は一緒です。

少年法という司法の壁に挟まれ、被害者の人権や遺族の感情が蔑ろにされ、真実さえもうやむやにされるかもしれない。

辛苦に耐え、無念さを痛感するのは誰か。

自分の行動と言葉に「責任」を持ち、その場の感情に流されないように、冷静に考えるべきだと思いました。