朝が来た。


庭の沈丁花に鼻をくっつけて深呼吸をした。
いい香り。



あまりにも美しい空。
またひとつ大きく深呼吸をして、体育館へ向かった。



卒業式の名残がそこら中にある。


この季節になるといつも私だけがここに置き去りにされていくような、そんな気持ちにさえなるけれど。


また始まってゆく。


あたしにはこんなにも夢中になれるものがある。


やっぱりあたしは姫達と共に歩む剣道が好きだ。





また彼女達が心に火を灯してくれた。




よし、前へ進もう。