石が転がっていた。



なかなか大きめの。



だから、力いっぱい押してみた。

フルパワーで押したら…
ちょびっと動きそうな気もした。

手応えは、ないこともない。



うむ( ˙-˙ )



だめか。



あたしの力じゃどうにもならんことが世の中には溢れている。



でもそんなもんは当たり前のことで。


人ひとりの力なんてちっぽけなもんで。


わかっちゃいるけど悔しいなと感じてしまう時がある。



どんな現実を突きつけられても、心のど真ん中に往生際の悪い夢が居座っている。





嗚呼、諦めたい。



嗚呼、投げ出したい。



くそくそ、嘘。





ゆく河の流れは絶えずして

しかももとの水にあらず。

よどみに浮かぶうたかたは

かつ消えかつ結びて

久しくとどまりたるためしなし。

世の中にある人とすみかと

またかくのごとし。 



昔々覚えた言葉の羅列は案外今でも言えたりする。





川の中に右手を突っ込んだ。

右手に力強く当たってくる水の行方を目で追った。


この言葉の意味を少しだけ噛み締めた。


木陰の中に見つけた光。



キラキラ綺麗だった。


あたしなんてこんなちっぽけなんだもの。


悩むのなんて当たり前。


どう足掻いたって無理なもんは無理。
その時はすぐに諦めよう( ˙-˙ )


でも足掻いてどうにかなりそうなら…
やっぱり諦めちゃいかん気がする。

答えはいつだって自分の中。





よし、また頑張ろっと。






あ。
あの石ころも……





いやいや。





諦めよう( ˙-˙ )





とかいって油断させといて





「ハッ」
うむ( ˙-˙ )


だめか。