【西のゴールデンルート創設へ】東京五輪がコロナで不完全燃焼に終わっただけに、2025大阪・関西万博は日本が世界に向かって発信できるまたとないチャンスだと言われます。
では、一体何を発信するのか。
日本はどんな未来を創造したいのか。どんなアクションを起こしていきたいのか。そこが肝だと思うし、そう考えた時、1年半後に万博が始まるのではなく、万博を通して日本が何を発信するのか、日本と世界の未来をどうしたいのか、そして万博後に日本に何が残るのかを考える「この1年半の思考の過程」自体が、実はパビリオンに行って刺激を受けること以上に日本にとって大切なのだと思います。

昨日はその第一弾として福岡カンファレンスを開催して、たくさんの方にご参加いただきました。また後日には千葉県や大阪府でも開催されます。

物価高騰、上がらない給与、人口減少、高齢化社会、人手不足、壊せない既得権、変わらない法制度、挑戦者の足を引っ張る「何かあったらどうするんだ病」、シルバー民主主義などなど、まさに分水嶺に立っている日本の将来を考え、万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」とは具体的にどういうものなのか、解像度を上げていく議論が各地でなされることはとても大事だと思います。

そのような主体性を持った多くの議論が各地で深まった時に、単にお客さんとしてパビリオンという「遊園地的なところ」に楽しませてもらいに行くのではなく、日本全体のための万博になるのだろうと思います。

さて、昨日は「西のゴールデンルート創設」の表明を、神戸市長、岡山県知事、広島県知事、下関市長、北九州市長、武雄市長、長崎市長、熊本市長、別府市長、宮崎市長、鹿児島市長、そして大阪の吉村知事と共に行いました。

今、福岡や九州への訪日客の多くはアジア中心です。
深刻なタクシー不足や飲食・宿泊業界の人手不足を考えると、人数を多く呼ぶ観光から、一人当たりの消費額の大きさや滞在期間などを考慮しターゲットを絞った観光誘客へとシフトしていくことを考えなければなりませんし、幅広い国からの誘客によりカントリーリスクを回避することも考慮しておかなければなりません。

欧米の客の多くは、大阪、京都、富士山、東京を結ぶいわゆるゴールデンルートを周遊しています。
私は既存のゴールデンルートに対して、「西のゴールデンルート」というフレーズで西日本と九州が一体となった海外への魅力発信をしたいと思っています。

その動きを始めるのに、ちょうど1年半後に行われる万博はタイミング的にも絶好のきっかけだと思っています。
期限が決まった万博というタイミングを大義として、スピード感を持って西日本・九州で動きを作り、今後の大阪より西への誘客を図っていければと思っています。

実際、九州では6割の外国人が福岡空港から出入国しますが、多くの岡山や広島の皆さんも福岡国際空港を利用されています。

これまで、九州は九州、中国地方は中国地方とエリア内での観光連携はされていたと思いますが、エリアを超えて西日本・九州が一体となったルート構想は初めてではないかと思います。

昨日は、思いに共感いただいた知事や市長に共同発起人として名を連ねていただきました。

これから意欲ある自治体や民間、国の行政機関などたくさんの皆さんを巻き込みながら西のゴールデンルートという概念を広げ、東京・富士山・京都だけではない、食や自然、歴史文化など西日本・九州のたくさんの魅力を多くの方に知っていただきたいと思います。












福岡市長 髙島宗一郎