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初日の出と共に新年のご挨拶を申し上げます。

昨年は本当に皆様方からたくさんの勇気や元気を頂きながら

とにかく前へ、前へ、と必死で歩んでまいりました。

この場をお借りして御礼申し上げます。

さて、年頭にあたり、皆様にご報告がございます。

私、左右木健一ですが…

12年間舞台から遠ざかっておりましたが

2月26日の私共の発表会において

舞台に復帰することになりました。

復帰のお話は、引退してからもずっとあり

特に3年前は真剣に考えておりました。

しかし私自身がどうしても納得出来るコンディションではなく

また色々な問題が山積みの頃だったので断念しました。

そんな気持ちを引きずりながら、起きてしまった昨年3月の震災。

稽古場も、住む町も、被害がほとんどなかったとは言え

あの日を境に、今まで仙台で築き上げたものが

一気に崩れ落ちた感がありました。

開校して15年、仙台で築いたものが全否定された気持ちにもなりました。

もちろん、生徒たちも全員無事で

今では何も変わりはありませんが

しかし命の儚さと、何かを築き上げても

自然災害によって人間の努力ではどうにもならない別れの時が来る虚しさを、ずっと

昨年中は感じておりました。

そんななか、自分が出来る役割をまだまだ全うしていないことに気付きました。

踊るには肉体的に限界はありますが

少なくとも命はあるし、手足もある、にもかかわらず

「あなたの踊りが必要です。復帰してください」

と言うお誘いの言葉を拒否することが、罰当たりに感じるようになり…

そんなとき、ある先生や友人から

「踊りたくても本当に踊れなくなる日が来るのよ。いま決断しないと、機会を逃すわよ」

と、言う言葉は42歳の私にガツンと響きました。バレエダンサーとすれば、もう色々な制限がありますが、まだ舞台には立てる年齢です。

12年前のような、ハチャメチャに忙しい舞台生活を送るつもりは一切ありませんが

とにかく役柄を限定しながら自分の許容範囲で

舞台に出る私の奮闘姿を見て

「あいつが頑張ってるなら、私も諦めないで何か復帰しようかな?」

という気持ちを持ってもらえれば嬉しいです!

舞台に復帰する、とは言え、今までの指導に変化はなく

たぶん生徒たちの指導も今まで通りでいくと思います。

復帰の道に進ませてくれたのに

かたくなに断り続けた先生方、友人には

「あ、やっと決断したのね。遅いよ!」

と言われそうです(笑)

で、何を踊るかと言いますと

「ナポリ」のジェンナロのヴァリエーションです。

これはヴァルナとパリのコンクールで踊ったきり、踊っていないので

かれこれ18年、舞台で踊っておりません!

1分もないヴァリエーションですが

生徒には内緒で黙々と練習していました。

2月にはどうにか間に合いそうです。

忘れもしない2000年の第1回発表会。

あの時は私は酒井はなちゃんと踊りましたが

スクールの基盤が全く出来ていなくて、本当に大変でした。

「このまま週1回東京から通う教師を続けていても、仙台の生徒は全く上達しないだろう」

と言う危機感もあり、引退を決めました。

しかし、今ではそんな昔が嘘のようで、発表会でするべき仕事の大半は

お母様方が全てやってくださるようになり

生徒たちにも自主性が芽生え

本番中は私の出る幕は一切なくなりました。

それなら、私が舞台に出ても

差し支えは…ない!

昔とは状況が一変したことだし

この状況なら安心して自分も舞台に出られる。

これも復帰の決め手となりました。

ここまで来れて

本当にありがたいです。

支えてくださった父母の会の皆様に

心から感謝申し上げます。

今年も

左右木健一・くみバレエスクールを

よろしくお願いします!

左右木健一

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