水である君の中に

入っていくのは

随分と気分のいいものだった。

 

それには僕たちの知らない

「制限」という概念あってこその

快感だった。

  

 

 

 

そして僕は

その制限が何かを知りたくて

その気分のよさとは

別のところへと意識を合わせた。 

 

 

君の記憶へとアクセスしたんだ。

 

 

水の記憶へとアクセスしたんだ。

  

 

 

その記憶は幾層にも分かれていて、

それぞれに時間が関わっていた。

  

 

遠い昔とされている

多くの人たちと分かち合っている

それもあれば、

 

 

家族とされている

近い人たちで分かち合っている

それもあれば、

  

 

君が自分だと思っているものの

記憶もあった。 

 

 

 

 

僕は随分戸惑ったよ、

驚いただけじゃない。

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一つに見える身体で、

一つであるはずの水に、

 

 

こんなにも沢山の情報が

隠れていたから。 

 

 

 

それには「良い」と

判断されているものも、

 

 

「悪い」と判断されているものも

あった。 

 

 

 

 

不快、とされているのも

快とされているものも、ね。

  

 

 

僕はそれを知りたいと思った。

  

 

 

 

 

 

経験というものを

してみたいと思った。

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

だから僕は、

君の星でいうところの、

 

 

両親みたいな、

神みたいものと約束しては、

 

 

この星に来る前のことを

少しだけ忘れることにした。

  

 

 

 

だってその方が

面白そうだったからね。

  

 

 

  

 

 

忘れるって何だろう。

 

忘れるって二つあるんだ。

 

一つはまだあるんだけど

そっとどこかに置いておいて、

後で都合のいい時に取り出すことが

できることのこと。

 

もう一つは、もう自分には

関係なくなってしまって、

消えてなくなってしまうこと。

 

次元上昇なんていう言葉で

説明する人もいるみたい。

 

 

そうして僕は

僕が何者であるか、 

 

いや、何者でもない、

ということを忘れた。

 

 


(続く)

 

 
ポチしてくれたらうれしいわ。


 

いつもどうもありがとう。

 

 
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✨ 

 

写真は、ボルダーで見た

青いトンボ、

水たまりの青に写って

神秘的だったよ。