「おはよう」

  

 

 

栗色の髪をした君が

鏡に向かって話しかけてる。 

  

 

 

 

君は眼球を動かしては

鏡に映る「自分」の「顔」を

見ている。

  

 

 

 

寝起きで蒸気した頬や

赤い唇や 

 

 

自分では手入れが必要だと

思っているしっかりとした眉を、

眺めている。 

  

 

 

うっとりと恋をしながらも、

何か間違いがないかと

見張るような心持ちで 

  

 

 

君は鏡を見る。  

  

 

 

 

 

 

そこに君は

あるべきでないものを

見つけてはため息をつく。 

  

 

夜更かしか、

はたまたアーモンドの食べ過ぎか。

  

 

君の脳は

記憶をスキャンしては、

原因を探している。 

  

 

 

 

 

君の表層的な記憶は

その本当の理由は知らない。 

  

 

ただ君は自分が

記憶をたどっては、

知識と照らし合わせて

納得する感覚を探しているだけだ。

  

 

 

本当の理由を知っているのは

もっと深いところにある情報だ。

  

 

とはいえ、

原因と結果で動く程度に

浅いところだ。

  

 

 

 

 

 

原因を作れば結果ができる

というのはこの星の常識と

されているようだが、 

  

 

僕は必ずしも

そうでないことを知っている。
  

 

いや、本当は全然

そうじゃないんだ。 

   

 

 

 

 

宇宙って全然

そんなところじゃ

ないんだよ。

 

 

 

 

 

 

 

君は透明の口紅に似た形状のものを

鏡の向こうの戸棚から取り出し、

 

 

慣れた手つきで蓋を開けては、

アルコールの匂いのするそれを

気にしている部位へと

チョンチョン、とつける。

  

 

それから最初に左、

次に右、  

 

  

 

 

の顔をもう一度眺めては

自分に微笑みかける。

 

 

 

 

 

この星に住む

人間と呼ばれる人たちの

ほとんどが、

 

 

同じように二つの目を持ち

同じように一つの鼻を持ち

同じように一つの口を持つ。

   

 

 

 

 

それなのにその大きさや

それぞれの間隔の

数ミリの違いで、

 

 

本当に1センチも

違いもしないその違いで、

  

 

どちらが美しいかとか、

醜いとかを決める。 

 

 

そして競う。 

 

 

 

または好んだり、

好まなかったりする。

  

 

 

僕にはいつまでもこのことが

不思議に思えてならなかった。 

 

  

 

 

 

  

(続く)

 

 


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