こんにちは、備え・防災アドバイザーの高荷です。

私の防災ショップ「
そなえるすとあのお客様から大変興味深い質問を頂きましたので、コチラでもご紹介(一部編集済み)いたします。

※今回のエントリはかなりマニアックです、「太陽嵐に対する備え」に興味がある方のみ、閲覧をオススメいたします。

Q.太陽嵐(キルショット)にどう備えればよい?例えばカセットガスボンベは爆発してしまうのでしょうか?

A.大規模停電によるライフライン停止に対する備えが必要です。ガスボンベは大丈夫でしょう

この質問を読んでどんなことを感じますか?「太陽嵐って何?」「それ心配しすぎでしょ」「ガスボンベww爆発www」いろいろと思います。

人類社会に影響をもたらす規模の太陽嵐が生じる可能性は低いと思いますが、歴史を振り返れば確率はゼロではなく、むしろ宇宙ハザードのなかでも高い方と言えます。


太陽嵐は、太陽で大規模な太陽フレア(太陽で生じる爆発現象のこと)が生じた際に、電磁波・放射線・プラズマ粒子などが地球の衛星軌道や地上に達して被害をもたらす現象です。

人工衛星に被害を与えるレベルの太陽嵐はしばしば生じておりますが、規模がきわめて大きくなった場合、地上にも被害を与えることが想定されています。


太陽嵐によるパニックと言えば、映画「ノウイング」が有名(?)ですが、あそこまで大規模なものになるかどうかはともかく、人類社会に深刻な影響を与える程度の太陽嵐が発生する可能性は、十分にあります。


■太陽嵐で何が起こるか
※以下、物理学的な検証をせずに記述をしていますので、「備え・防災」に対する参考意見としてお読みください。

最悪クラスの太陽嵐は人類存亡の危機となるのでしょうが、これに対して備えることは個人と家庭のレベルでは難しいため、現実的にあり得る、もう少し規模が小さな太陽嵐に対する備えを考えることにします。

人類が生き残る程度の弱さで、しかし最悪クラスの太陽嵐が発生した場合、もちろん健康被害もゼロではないと思いますが、深刻なのが地球規模で生じる電力システムの大規模な破壊です。

太陽嵐では、電磁波・放射線(粒子線)・プラズマ粒子が問題となりますが、いずれも送電線網や電子機器に対して直接的なダメージを与えるため、地球規模での停電やコンピュータの破壊が想定できます。
核兵器の爆発で生じる電磁パルスでコンピュータが破壊されるのに近い現象でしょうか。


■太陽嵐に対する備え
電気が止まると、ガスや水道を含む全てのライフライン、また流通や社会機構が停止しますので、身近(ではないですが)な例としては、強毒性の新型インフルエンザがパンデミックを起こした際の様な社会状況、数週間~数ヶ月にわたるライフライン停止に対する準備が必要と考えられます。

この状況に備える場合に必要なのが、食料・水・生活用品・燃料・医薬品の備蓄です。要するに、1ヶ月程度外出しなくても大丈夫な準備といえますが、やろうと思えばいくらでもやり込めるため、家族構成と目標引きこもり日数から、ある程度計画を立てて用意をする必要があります。

用意すべき物品リストを上げると大量になりますが、質問タイトルにあった「カセットガスボンベ」などは、太陽嵐の際に恐れる対象では無く、むしろ優先して用意すべき備蓄品であると言えます。ちなみに「
そなえるすとあの酸素遮断チャック袋」は、長期間の食料備蓄において、特にお米や穀物の大量ストックに最適です…。


■太陽嵐でカセットガスボンベは爆発するの?

カセットガスボンベが爆発する規模の太陽嵐が生じた場合、おそらく人類は絶滅します。ボンベの容器は人間の皮膚や組織よりも強靱で、圧力に対する耐久力も強いですから、少なくとも地上に置いてあるのであれば、爆発などは考えなくてもよいと思います。

電磁波・放射線・プラズマ化した粒子は、それ自体は爆発物ではありませんので、ボンベを直接的に爆発させるような力はありません。ただ、心配であれば、カセットガスボンベを保管する場所は、2Fより1F、外壁側より部屋の中心といった具合に、遮蔽物が多い場所に備蓄できればベストです。


以上