皆様、お待たせしました!
いやぁ溢れすぎて時間かかりましたよ!笑
長いですよぉ。
13問!
選ばれていない質問でも答えの中におそらく知りたい事も書かれていたりもするので、ぜひじっくりチェックしてみてくださいね!
さぁさ、一緒に思い出を振り返ってみましょうおねがいキラキラ音譜
 
ハイヒール《キンキーブーツ 一問一答》ハイヒール
 
 
1:ローレンが工場でチャーリーに恋に落ちたって気づいたそのソロ曲の最後のところで、トリッシュに「どこへいくの?」って聞かれたときに、ローレンは「ビッグになりに行ってくる」とおしゃったんですか?ある方の観劇レポで、「ピンクになりに行ってくる」に聞こえたと書かれたのをみて、すごくびっくりしました。ここがすごく気になります。
 
『ビッグになりに行ってくる!』です(笑)決まり台詞にしてはちょっと聞き取りづらいですよね(笑)、わかります。実は、これ、オーディションの時は『重役になりに行ってくる』という訳だったのです。英語の原台詞は”I’ve been excutized!"なのですが、実はこの”excutized”って単語は存在しないんです。(ほんとオーディションの時困った笑 調べても聞いてもわからなくて)”executive"重役とか役員とかの意味を表していて、ローレンが勝手に作った造語なんです。まぁ直訳してみると、トリッシュ『Hey,どこに行くの?』→ローレン『(チャーリーに)重役に選ばれちゃった!(から上の事務所に行くの)』て感じですかね。
実は他にもこういったローレン造語みたいなのが多く、それを日本語で表すにはなかなか難しく、というか忠実に造語だったりイギリスだからこそ特有の表現の仕方だったりというのを表現するのは、日本語では不可能だったので、それを、流行言葉っぽい単語だったり、ローレンの口癖だったり、口調だったりで日本語で表現するよう岸谷さんとも相談しながら作り上げました。
 
 
2:キンキーブーツのオーディション秘話を聞きたいです(^_^)
 
キンキーブーツを日本キャストでやるのでオーデション受けませんかって聞いたとき、やっときた!と思いました。オーディションなので、受かるかもわかりませんが、よろしかったらと尻込みしたくなるような事言われましたが(日本でやる外国演出家のオーディションは大体そうだけど)もちろん、受けますと即答。
オーディションの時は、出演作品が重なって史上最大に忙しい時期で、体調も絶不調でした。覚える台詞もめっちゃ多くて(おかげでローレン台詞ほぼ覚えていたので、稽古時苦労しなかったけど笑)声も全然でないし、頭ふらふらで即興でつけられたダンスも全く覚えらんないし(笑)、この役はシンディローパだから!シンディで歌って!って初耳なこと注文されるし(笑) 万全じゃなかったけど、とりあえず熱だけは伝えました。着ていった洋服も、私が記憶しているローレンぽい衣装を選んで行きました。
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(これは稽古場公開時の写真ですが、オーディションの時とまったくCD。稽古中この格好で稽古する事が多かったです。)
実は、この格好、似ていませんか?そう、私のオープニングの衣装に。
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実は、ローレンってだいたいこんな感じというテイストや色合いなどのデザイン指定が元々あるのですが(他の役も)、でも細かな生地や模様、かたちなどは本人に合うものでというデザイナーからの指示だったので、オープニングのTシャツのかたち、実はこのオーディションで着たものを渡して、全く同じかたちにしてもらったんです。丸首がVになったくらいかな。あと、スニーカーも同じくニューバランスに。すごく嬉しかったです。
オーディション時からずっと想いがつながってるのを感じられて。

 

 

3:ローレンのソロナンバーTHE HISTORY OF WRONG GUYSをソニンさんとして作り上げる過程で苦労された点を教えてください。
 
実はこの曲、ほぼ決まっているのです、動きや演出(演技など)など全て指定されている。歩く歩数が決まっているところもあるんですよ。基本音楽を使ってすべて動いているので、音に合わせて歩いてたり(これ気づく人いないと思うけど、実は。)モーリーンの抗議集会の自由さに比べると、なんとも拘束されてて本当に最初は苦しみました。とにかく、何もやらなくていいばっかり言われて(笑)世界中色んなパターンがあって、彼女たちが誰にどのパターンで振り付けられて、どの程度守ってるかによりますが(笑)(あ、ローレンは公演中ちょいちょい監視しに行かないと勝手な事やるって言ってたな笑)私は、結構真面目に守った方だと思います(笑) かなり我慢しましたよ。(笑)
ですが、少しでも日本のお客様向けにもアレンジする必要もあると思っていましたので、そこはしています。特に、曲始まりの台詞。これは、実は、最初書かれていた日本語台詞だと、元の英語の要素と少し離れていて、何度も何度も歌詞翻訳の雪之丞さんと台詞訳の岸谷さんに相談持ちかけました。結局『やりながらソニンがこれだっての見つけて行けばいいよ』って言われてたのですが、結果私が作ったものになりましたね。微妙なニュアンスもすごく拘りました。英語のテンポ感と、日本ローレンぽさ感と、あと、突然恋に落ちる感が違和感ないように。その急に恋が始まる違和感でいうと、この曲(恋)が始まるまでの段階ってのも、ひそかに、(この作品の)頭から丁寧につけてました。
あとは、この曲を歌う事自体ですね。キンキーってチャーリーもローラもボクシングのレフリーも男性みなキーが高いのですが、女性であるローレンのこの曲って響かせるには低いんです。サビなんて、恋しちゃってワクワクしてるのに、なんとも低い。これがスコーンと抜けなくて、苦労しました。芝居歌だけど、しっかり歌わなくては行けない。歌ばかりだと、おもしろくない。でも、この曲に限らずですが、演出家D.Bには、私たちはオーディションでローレンの要素を持っている人を選んでいる訳だから、何もしなくていい、そのままでいてと言われてたので、自分を信じて、演出の中で、私らしく作り上げれたと思っています。
 
 
4:世界で色んなタイプのローレンがいると思います。私が観た限り、ソニンさんのローレンはブロードウェイオリジナルキャストのアナリーアシュフォードに近いように感じました。似ていると言われると嫌かもしれませんが、なにか他のローレンで参考にした事とかありますか?(ちなみにローレン役ではありませんがクリスティンチェノウィスっぽさも所々感じて個人的にとってもツボでした♥️)
 
私は初めてキンキーブーツを観たのが、2013年6月トニーショウ直前でした。そのときは全員まだオリジナルキャストだったので、ローレンはAnnaleighでした。彼女のローレンを観たとき、モーリーンぽいニオイを感じ、PLAYBILLを観てびっくりしました。というのも、実は、彼女は、新演出版のRENTのオリジナル•モーリーンで、私も同じ新演出版の日本オリジナル•モーリーンだったのです。で、しかも私はそのRENTをニューヨークで観ているのです。その時は作品全体を観ていたし、何しろ私は新演出版の前はミミだったので、むしろミミを観ていたので、モーリーンだった彼女の名前を覚えるには至らなかったのです。が、実際、新演出版のオーディションでモーリーンになった私は、日本で上演した際に観に来てくれた知り合いに、”Annaleighモーリーンの系統”と言われたのです。びっくりしました。別に彼女を参考にした訳でもないし。彼女のモーリーンを観ていたからなのか、それとも新演出版は彼女ベースで作られたから、自然と彼女っぽくなるのか。そこで初めて彼女の名前をしっかり認識したのです。
それで、半年後、キンキーを観た時、この作品は絶対に日本で上演されるだろうから、その時は、色んな事を含め私がやるならこの役だな、と。
だからか、ローレンは最初に観た彼女のイメージが強く残っていて、ブロードウェイミュージカル版キンキーブーツのローレンは彼女のイメージでした。参考にしたローレンは彼女だけです。ですが、別にそっくりそのまま真似をしたわけでもなく、ローレンのベースというか。おっしゃる通り、もう今や、世界には色んなタイプのローレンがいます。私がAnnaleighのローレンで一番参考にしていたのは、都会っ子ぽくない、ダサさ。ドジっぽさ。だって服も、ね。(笑)もうあのワイドパンツ忘れられなかったもん。(笑) 調子のってテンション上がっても、決まっていない感じ(笑)ダサいから愛せる。バランス崩しちゃったりノリがちょっと変。笑かせるのではなく、滑稽で笑える。ここは、実は私にはちょっと無い部分なので、今回はかなり役に寄せました自分を、だって私テンション上がって来たら普通にダンスしてポーズとれちゃうもん(笑)グルーってまわったらスポットとってバランス崩さないもん(笑)
Kristin Chenowethは、実は今回キンキー観劇してくださった知り合いにも言われました(笑)そこは別に何も意識していません。おそらく、所謂"ブロンドの白人の女性の”特徴を少しわかりやすく演じたからだと思います。
ま、Annaleighも参考にはしましたが、基本、日本での演出家D.Bの演出にゆだねていたし、日本のお客様用に様々な所をオリジナルに作りあげましたよ☆
 
 
5:初めてローレンの声を聞いた時に「あれ!?ソニンちゃんの声じゃない!?」と、とてもびっくりしました。ローレンを演じるにあたり役作りの一つとして声の出し方には何かこだわりや想い入れはあるのでしょうか?良かったら教えてください♪
 
ブロードウェイで初めてキンキーブーツを観たとき、『なんか、あの子変わった声。絶対なんかやってくれる役だな。』というのが第一印象だったのです。なので、声を、ちょっと特徴的で、所謂”ミュージカルなどでよく出てくるブロンドの女性”感を出したかった。実は、映画のキンキーブーツってローレンが全く違うのです。映画とミュージカルとで一番違うキャラなんじゃないかな、ローレンって。オーディションでシンディローパだからこの役はって言われたのってそこにあるんじゃないかなと思うんです。ストーリーの舞台であるイギリスではなく、少しアメリカ寄りなキャラクターであるように感じるんです、ミュージカル版のローレン。それって、やっぱり、アメリカ•ニューヨークでの上演用に作られたミュージカル(つまりブロードウェイ用)だし、楽曲もシンディだし、このローレンの役をそっちに寄せて作ったのではないかと。
実はこのシンディーローパ感、おそらくオフィシャルにあまり言われていないのではないでしょうか。裏設定ですね。といえども、私は別にシンディを研究して真似したわけでもなく、ただ、歌の時は、ちょっとシンディっぽくとは指示がありました。台詞とかは全く意識してたわけではないのですが、観に来た知り合いのたくさんの方々に(特に40代以上の方々)シンディローパかと思ったと言われました(笑) すごーいわかる方にはわかるんだぁ!と驚きましたね。
 
 
6:"間違いだらけの恋の歴史"の後の場面で二階でチャーリーとローレンのやりとりが観る回ごとに変わってきてたんですが、あれは毎回その日のアドリブだったんでしょうか?そして二人は会話も交わしてたんでしょうか♪エピソードあったら教えてください(´▽`▼
 
今回オフマイクでアドリブ会話できるの箇所が多かったので、それをとても楽しんでいました。二階でのチャーリーとのやり取りは、毎回その日のアドリブですよ(笑)よく観られていますね(笑)まったく何も考えずその時々でやってました。 えー内容知りたいー?夢こわれるよー?(笑)
大したこと喋ってないけど...とにかく私は、一応ローレンとしてそのとき思いついた事をチャーリーに話し&アプローチかけてて、チャーリーは毎回、あるイラストを描いたのを(私が歌っている最中に事務所でかいてるらしい!)私に見せるっていう感じかな。同じものを描いてるんだけど毎回違う感じに描くのよ。それで吹き出したこともあるけど、それを毎回冷静にチャーリーとローレンとしてコメントしてるっていう。そんな事してたかな。(笑)で、二幕始まって、私が下に降りるまでに事務所で、そのイラストにコメントを書くって事をしてました。(笑)
二幕、工場でチャーリーが荒れ始めたときの後ろでの工場のみんなとのアドリブも大好きで、マイク入ってても全然成立するほどに、アドリブでちゃんと芝居していて、あの時間が妙に好きでした。セットの後ろだし、照明も暗いし、お客さんからは大して見えもしないし、前でオンのメインストーリーが行われているし観られてもいないのだろうけど、本当にみんな絶妙な芝居していて!しかも前に邪魔ならないよう、そして前の芝居にも付いて行って、ちゃんとそれぞれのキャラクターとしてアドリブ芝居をしている。私がMVPあげるとしたらそこの芝居は入りますね!
 
 
7:ローレンを演じたソニンさんだからこそ感じる、劇中で一番ローレンっぽさが出ているなと感じる場面はどこですか?
 
チャーリーなぐさめるときですね。"Down doggy.”(日本語台詞だと『落ち着いてワンちゃん』)とおどけてるところ。
私だったらあんな風に声かけられないなぁ。
私はこのシーンの一連が大好きで、袖でチャーリーが歌うSoul of a manを眺めているのが本当にたまらなかった。その前のチャーリーが乱暴になっていき自分も他人も痛めている前のシーンから本当に胸が痛くて、自暴自棄になっているチャーリーの元にかけよって、一言、伏せワンちゃん、って(笑)ローレンはそうしか言えなかったんだと思うのよ。彼女の生きて来たキャラ上。でもその後に、同じく父親をなくした時の事を話すんだけど、おそらくチャーリーも彼女の父親が亡くなった事も知ってるし(お葬式もでてるんじゃないかな)、でもそんなところチャーリーに見せなかったんだと思う。ローレンは人にそういったとこ見せる子じゃないと思うし。でもチャーリーを救うために打ち明けたんだと思う。でもその一瞬だけなんです、あとは明るく振る舞っているし、慰めもしんみりじゃなくて明るくしている。そこがすごくローレンぽいなと感じました。
 
 
8:ローラやエンジェルス以外の皆さんは、ハイヒールのブーツはいつから練習してましたか❓ハイヒールの履き心地や歩きやすさは市販の靴とはどうに違いますか❓
 
確か、もう最初の頃から履いて練習していましたよ。ローラ&エンジェルスは振付けを別室で行っていたので、ヒール履いての初練習の様子を観ていませんが、確か春馬は歌稽古の時点で履いてたんじゃなかったけかな。彼は稽古が始まる前にニューヨークやロンドンでキンキーの様々なスタッフに会ったりレッスン受けたり色々伝授されてきてたので、もう初日から先駆けしていて我々よりずっと前にいる感じで、羨ましくもあり、めっちゃ焦りました(笑) 今回の作品は、幸せな事に、靴の話だけあって、ブーツはみな採寸してオーダーメイドだったのです。実は、ローレンの最後のブーツだけ、本当にギリギリまで、既製品の予定だったのです。ローレン以外は決まったデザインですので、必然的に作らないといけないのですが、ローレンはピンク寄りのショートブーツっていう指定だけなので。ですが、何足も試しましたがなかなかサイズ的に合うものもなく、実は劇場に入ったあとに、『作る?』って言われて。『ぇ、え!?作ってくれるんですか!?てか間に合うの!?』てなり、出来上がって初めて履いて踊ったのが、ゲネプロの時だったんです。(つまり初日前日のラストリハーサル且つマスコミ関係者初披露の通し)もう踊りやすさに大感動しちゃって!どんな動きでも出来ちゃったね!(笑)やっすいピンヒールのブーツとかで階段駆け下りたりアクロバット的に踊ったりして、ヒールもげた事あるので(まさにローラ!笑)、自分の足に合わせて作ったものってなんて踊りやすいんだって、まさにキンキーのドラァグクイーンたちの気持ちそのものでした!
 
 
9:年齢、性別、体型に関係なく、他にやってみたい役はありましたか?
 
 まず、自分でも私のローラは想像できるなぁ。(笑)でも男になった事ないので、男が女性らしく魅せるというのは難しそうですが、役者として性を超えるというのはやりがいもあるし、やってみたい難関ですね。
 
チャーリー。私は初めて、キンキーブーツを観たとき、これ、ローラもチャーリーも同じほど大変なのに、目立って評価されやすいのはローラなんだろうなと感じまして(実質、トニー賞でも二人とも最優秀主演賞にノミネートされる程。でもローラ役のBillyPorterが受賞しました。)、人一倍チャーリーの役者さんに拍手を送ったのを覚えています。だから、精神的な面でチャーリーの役者は強くないといけないし、目立たないで主役としてたつという、役者としてはとても難しい立ち位置でどれだけのパフォーマンスが出来るかという、また違った難しさがあると思いますにでチャレンジしてみたい役ですね。
 
 
10:私はチャーリーの留守電からローラのHOLD ME IN YOUR HEARTまでで泣いてしまうので、ミラノのショーの始まる前のあのコミカルなシーンも半泣き笑いで見てました。ソニンちゃんは演じる側なのでどういう風にあのシーンへ気持ちを切り替えてましたか❓
 
あのシーンは、次のシーンでの切り替わりで、Raise you upへのイントロだと本演出家のJerry Mitchell氏から直々に言われたので、それを実現したまでです(笑)私は裏で完全切り替え出てくるようにしていました。この作品のシーン転換はマッチを擦ったように変えてほしいと稽古時から合言葉のように聞いていたので、そのつもりで。

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11:1789から小池くんと共演されていて、2つの作品での2人の関係性は全く違うものでしたが、キンキーブーツならではで小池くんとの関係で新しく見えたものがあったら教えてください♡
 
今回は幼なじみという関係で、設定上同僚関係の方が先立つのですが、幼なじみ感はとても重要で、事務所でアドバイスを与えるシーンもチャーリーはローレンだから弱音が言えて(逆も)、恋しちゃうくだりも幼なじみだからこそが面白いのでポイント。だけど、少し台詞にあっても幼なじみだからどうっていうのを表すシーンが際立ってあるわけではないから、そこは空気感で埋めるしかなかった。キンキーが初共演なら、それは難しかったでしょうね。イコール、役者としてお互いを信頼しているかどうかだから。連続しての共演だったし、二度目ましてだったからこそ、言える事があった。しかも1789では兄妹でしたからね、昔から共に育った感は自然と(笑)ここだけの話、きまずい空気になったこともありましたよ今回(笑)でもすごく大切だったと思う、お互い前回では出来なかったことをさらけ出せたのだから。(終わった後笑い話になりましたのでご安心を) そして、それはローレンとチャーリーの関係性には必要な事でした。のちのち結ばれる説得性でも、ちょっと自分より大きく見せようとした時チャーリーってほら空回りするじゃないですか(笑)ニコラととはやっぱり背伸びした感があって、幼なじみで自分をよく知ってる方の方が合う無理しなくていいといった意味でも、今回の役者二人の関係性は大いに生きたと思います。

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(大千秋楽朝のメイク前のOFFと開演前のON。この差。キャラ逆転感w)
 
12:ローレンの人生のターニングポイントをひとつだけ挙げるとしたら、どこだと思いますか?
 
父親の死とローラとの出会いではないでしょうか。
おそらく、彼女は田舎育ちで、ニコラのように外に出るような事も考えていなかったと思うのですが、それは例えば残された母親のためだったりするのかもしれないし、そしてその考えを打破してくれたのはローラかもしれない。ローラに刺激されたローレン、おそらくあの後、ゆくゆくNorthamptonでて、何か、アパレル系の仕事してるんじゃないかなって思うんですよね(笑)
 
 
13:キンキーブーツのお話の中で、幸せなところと、不幸なところは、それぞれどこだと思いますか?
 
この質問おもしろいなって思ったので選ばせていただきました。なぜなら、おそらく多くの方は、少なくとも私は、なんて、ハッピーミュージカルなんだ!こんな立っているこっちまでもが幸せになれるミュージカルない!て思った作品だったから。不幸なところ!?って。でもそこに敢えて答えたいと思いました。
私が思う不幸なところは、やはりドラァグクイーンという分野の本当の意味をこの作品で掘りきっていない所だと思います。私は今まで、ジェンダーに関するあらゆる問題について触れ合ってきました。以前レギュラーで6年間MCをやっていた福祉番組で、取り上げる事が多く、そこでたくさんの方と知り合ったし、その後、仕事でも、語ったり、ときには演じたり、絶えず向き合ってきました。が、しかし、私はこの作品をやる上で、正直ドラァグクイーンという実態がどういうものなのかということを知りませんでした。例えば、RENTでエンジェルがドラァグクイーンではありますが、彼/彼女は同時に同性愛者でもあるのです。キンキーでのローラはそうでありません。ローラはどういう心の中の反応で、きっかけで、”他人とは違ったことをしたい”という風に気づいたのか、そして、周りにそれを理解を求めているのか。それともわからないままでいいから、自分は”変わり者”(キンキー)として生きて行くことを受け入れてるのか、諦めているのか、そもそも求めてもいないのか。なぜなら、この作品では、周りの人間の、彼/彼女やドラァグクイーンに関しての発言や認識がすごく、こう、ぼやけているから。ドンにしても、チャーリーにしても、ローレンにしても。まぁ、もしかしたら、そこを深く掘りすぎては、別の作品になってしまうってのもあるだろうけど。でも、作品に出てくるキャラクターがとても受け入れる態勢であったり結果そうなるのが救いでもありますが、掘り下げないままになってるから逆に私は残酷に感じるのです。
それでも、ローラ本人率いるドラァグクイーンたちがとても楽観的で明るい面を前面に出しているので、このミュージカルをエグい痛みではなく、心地よく切ない痛みとして、みなさんに爽やかなスパイスになっているんじゃないかと思います。
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(↑実は知り合いにドラァグクイーンのお店に連れて行ってもらったの)
 
敢えてあげるとしたらって感じで、基本、この作品、みんなが救われるんです。そこがとてもハッピーな気持ちにしてくれるんだろうし、演じていても本当に毎回幸せな気持ちにしてくれるし、初めて、ブロードウェイみたいにこの作品ずっとやってられるって思いました。精神的にもたくさん救われて自分にとって新たにターニングポイントになるような作品でした。
 
(文字数オーバーしちゃったので笑、分けます。記事に続く。後コメです。)右下矢印右下矢印右下矢印