大好きな落語のひとつに、「ねずみ」がある。
旅情をさそい、ひととひととの出会いにふれる。
日々を懸命に生きること。
魂のこもるしごとをすること。
爽快な落語らしいお噺。
この何年か、なかなか聴けなかった噺なので、久しぶりに絶妙のタイミングで聴くことができ、身の引き締まる思いがした。
誠実に、一心に。
いつも心においていることではあるけれど、慣れがあったり、怠慢があったり。
「魂をこめて仕事をする」
この境地は、どんなものなのだろうと深く想像した。
敬老の日。
祖母の大好きな落語家さんの似顔絵を、中学3年の息子が描いてくれた。
彼にしてはめずらしく、
「髪の毛、いっぽんいっぽん丁寧に描いてみたよ。」と教えてくれた。
丁寧に。大切に。
こつこつこつこつ。
相手を想いながらのしごと。
これは、格別だなぁと思える瞬間だった。