テレビで、警戒区域の南相馬市が写されている。

防護服に身を包み、警戒区域に立ち入ったキャスター。

そこには、同じ日本には思えない風景があった。

割れた窓ガラス。人間の気配のない町。

道路に野生化した牛。

赤で点滅したままの信号機。

飼い主のいない牛たちは、処分される。
薬殺された牛たち。

私たちのために、生まれてきた牛たちなのに、私たちの身勝手で殺される。
どこにも怒りのぶつけるところがないのが、悔しい。

こう書き記し伝えることしかできないけど、犠牲になった魂たちよ、どうか前へ進む勇気をください。