●ボブ・ベルデン、58歳で死去～ブルーノートでA&R

●ボブ・ベルデン、58歳で死去～ブルーノートでA&R

【Bob Belden Dies At 58】

訃報。

ブルーノート・レコーズの元会長だったブルース・ランドヴォールに続き、同レーベルでA&Rも担当し、自身サックス奏者としても活躍していたボブ・ベルデンが2015年5月20日、ニューヨークで死去した。58歳だった。心臓発作で病院に運ばれ、生命維持装置がついていたが、20日にまったく反応がなくなったために装置がはずされた模様。

ベルデンは1956年10月31日イリノイ州エヴァンストン生まれ。サウス・キャロライナ州で育った。十代からルー・マリーニ・サーに付きサックスを習った。ルー・マリーニ・サーはバディ・リッチ・バンド、ブラッド・スウェット＆ティアーズ、ブルーズ・ブラザーズ・バンドなどで活躍したヴェテラン。その後、ノース・テキサス大学で学び、同大で有名なワン・オ・クロック・ラブ・バンドに参加。この頃から、ブルーノート・レーベルのアルバムを多数買い集め、膨大な知識を得るようになった。

その後サックス奏者、アレンジャーとして活躍。その知識を背景にコロンビアでのマイルス・デイヴィスの再発もてがけた。1991年からブルーノートとアーティストとして契約。それだけでなく、制作担当ディレクター（A&R）としても活動。ジャズ系のライナーノーツも多数執筆した。

1991年、スティング曲をカヴァーした『パフォームス・ザ・ミュージック・オブ・スティング』、1994年、プリンス曲をカヴァーした『ザ・ミュージック・オブ・プリンス』などを精力的にリリース。

2001年の『ブラック・ダリア』ではグラミー賞ジャズ部門を獲得している。

これは、1947年に22歳で殺害された「ブラック・ダリア」という女性を題材にしたもの。この殺人事件は迷宮入りしたが、これを元にジェームス・エルロイが1987年小説『ザ・ブラック・ダリア』を発表。映画監督ブライアン・デパルマは2006年この小説を元に『ザ・ブラック・ダリア』を映画化した。

"Black Dahlia" (composed by Bob Belden) Cincinnati Conservatory Orchestra with Tim Hagans

https://www.youtube.com/watch?v=wgvyvDj9ZG0