お話しと挿絵。。。 | soraの日常 お絵描きとドールと。。。

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ユルい目で見てやって下さいませm(__)m

年末に挿絵のご依頼をいただき描かせていただきました。
(文章途中に出てきます)


お時間ございましたらどうぞご覧になって下さいませm(_ _)m

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妖怪憑き             作︰夢好

特に何の変哲も無い、ある冬の日の一幕である。片田舎に引っ込んでいる男やもめが、憑かれた狐と一日を過ごすだけの話だ。

冬もいよいよ本番となり、暖房器具の世話になりっぱなしになることも多くなった。これだけ冷えると、買い物と家周りの掃除をする以外では、家に籠りきりの生活が続く。どうせ外にも出ないでだらけているのなら、と、折角の機会でもあることなので、炬燵を引っ張り出してみた。去年は暖冬で、これを出すのも億劫だった為、丸二年振りの再会である。真空保存の袋から取り出した布団からは、少し懐かしい匂いがした。
早速、家の中に置いてみた。畳敷きの居間に四つ脚を立て、近場のコンセントに電源を差し込んで、スイッチを入れる。至極快い。これに布団を掛ければ、熱がたんまりと中に溜まって尚宜しい。下手に布団に籠るより幾らも暖かそうだが、つけたまま寝るという訳にはいかないのが残念である。田舎の一人暮らしでは、風邪を引くというのは割りと冗談にならない。いざという時に誰かに助けてもらえないだけに、そうしたリスクは回避しなければならないのが辛い所。その分、普段は太平楽で暮らせはするが。

さて、そうしていると、庭からガラガラと音がした。縁側の窓を誰かが開けたらしい。この辺りでは、割りと頻繁に爺様婆様がそういう事をする。誰が訪ねてきたか、挨拶せねばと、慌てて炬燵から出ようとした。しかし、出るまでもなく、正体は割れた。
居間に顔を見せたのは、狐だった。中々艶やかな毛並みを持つ、キタキツネである。少々前に、川釣りで獲れた雑魚を気まぐれにやってから、随分気に入られたようで、気づけば、すっかり家に居着いてしまった。偶々家の鍵を開けっ放しにしていると、それを幸いとして、自由に動く尻尾や鼻先などを器用に使い、窓を開けて勝手に出入りする。今更その程度をどうこう言うつもりもないが、野生に暮らす存在なだけに、帰ってくる度毎に縁側が土で汚れるのは勘弁願いたい所だった。丁度今も、そこいらを足跡だらけにしてから、まるで猫の様に、素知らぬ顔で毛繕いをしいしい、大欠伸などをしている。どうにかならないものか。仮にも、大昔から人を化かしてきた妖怪の類である。下手な人より知恵には優れるはずなので、縁側にタオルでも敷いておけば、それで拭ってくれるだろうか。
それにしても、この狐は随分世俗に詳しいらしい。見慣れない炬燵の存在に気付くと、それを凝視している。何だと思うと、尻尾をもふもふと動かした。空中に尻尾で文字を書いているのだと分かり、それを読み取ってみると、「さむい」「こたつ」「いれろ」。人の家に勝手に上がっておいて、中々厚かましい申し出である。しかし、別に何か問題があるわけでもないので、入るなら入れと言うと、喜び勇んで入ってきた。てこてこと歩いてきて、持ち上げた布団の隙間に潜る。覗いてみれば、くるりと尻尾を巻いて、行儀良く収まっている。が、その場所は炬燵のど真ん中。これでは、私が足を突っ込んで暖を取ることもできない。仕方がないので、布団から抜け出した。ぺらりと端をめくり、場所を移ってくれと言うが、嫌なこったと首を振られた。こうあっては、気難しいこの手の存在をどうこうすることも難しい。素直に諦めて、今の所はこの楽園を譲ることにした。
さりとて、床暖房や特別な保温の工夫もしていない家は、冷える。壁に掛けた気温計によれば、室温は15度。エアコンで部屋を暖めるのも時間がかかりそうなので、ガスヒーターで暖を取ることにした。部屋の冷たい空気と暖かいヒーターからの空気に挟まれて、暑いような寒いような、よく分からない感覚を暫く味わった。

テレビを見て、ゲームをして。ほんのり暖まってきた部屋の中で怠惰に過ごし、ふと気付けば、丁度正午である。そろそろ腹が空く頃。家にあるもので何か作ろうかと、台所を漁った。見てみると、うどんとそば、その他インスタントの麺類が見つかった。冷蔵庫には、調味料と保存の効く漬物など。冷凍庫も寂しいもので、自分の弁当用の冷凍食品が詰まっている程度。米はそろそろ少なくなっていた。
暫く睨めっくらをしていると、狐がもぞもぞと炬燵から出てきた。近寄ってきて私を見て、時計を見ると、昼飯時だと分かったらしい。「めし」「はら」「へった」。おまんままでご相伴に預かろうとは、野生動物の癖して野性の薄いことである。それでは何が良いかと、今家にあるものを見せると、真っ先にうどんを尻尾で指した。作るものは決まった。
湯を沸かし、麺を茹でる。それと、狐が冷凍庫を漁り、発掘してきた油揚げを解凍する。良い匂いがしてきたから探したという。流石は獣である。後は茹で上がった麺に油揚げを乗せて、きつねうどんの完成だ。
器に入れて、箸を用意してやる。それを机に持っていくと、大喜びで狐が寄ってきて、どろんと人に変化した。性別のはっきりしない、和装の子供の姿である。尻尾を暴れさせながら机に差し向かい、さっと手を合わせてからがっつき始めた。満足げな表情を浮かべるその様は、とても人より長命の妖怪とは思われない。
最初にこれを見た時は、しゃっくりが止まらなくなる程度には驚いたのをよく覚えている。話には聞いていても、実際に化けるのを見るのは初めてだったから、それは大層驚いた。しかし、この狐は化けることに慣れていないらしく、尻尾や耳は出っぱなし、言葉は喋れないと、中々情けない様子である。尻尾文字によれば、まだ未熟者だから上手く化けられず、口の作りが違うから上手く喋れないとか。その割りには、飯を食うのに不自由する様子はないようだが。
と、そうして考えていると、狐はもうそろそろ自分の分を食い尽くす勢いである。放っておけば、こちらの分まで食われる。慌てて自分の器を持って麺を啜り始めたが、余りに熱く、取り落としかけた。声もなくぷるぷると体を震わす狐の顔には、小憎ったらしい人を小馬鹿にした笑顔が浮かんでいた。

たらふく食って、すっかり太鼓腹になった。ふざけて腹を叩いてみると、獣の姿に戻った狐に、前脚で思い切り押された。狸の真似は気にくわないらしい。食べたものが返って来るかと思ったが、その事態は何とか避けられた。心なしか毛の逆立った狐には、解凍した油揚げの余りをやって機嫌を取った。取り敢えず、矛は納めてくれたらしい。脂ぎったものを布団の上で食べるので、ぼとぼとと汚れが溜まっていくが、言っても聞くものではない。仕方がないので、それはそのままに置いておいた。こういう汚れはどうすれば取れるか、後で調べておかなければ。
洗い物を片付けていると、狐は早々に食い終わったらしく、朝のような大欠伸をして、くるりと丸まった。食って直ぐ寝ると牛になるという言葉を知らないのか、と揶揄ってみたが、もうその頃には夢の中である。炬燵の中に入らなかったのは、十分空気が暖まっているからだろう。人の安楽の地を奪っておいて、周りが住みよくなればそれを抜け出した訳だ。この傍若無人には些か辟易するが、世に聞く限り、妖怪とはこんなものであるらしい。野生動物と侮って、気紛れで構ってしまった自分の不始末である。こうなったら、少し大きな子供が家に遊びに来るとでも思って、寛容の心で見守る他あるまい。
諦めを再認識しながら、家事を片付ける。幸い、家電の類は一式揃っているので、自動洗濯機に衣類を放り込み、音が小さく近所迷惑にならないと評判の最新式掃除機をさっと掛ける。近所と言っても、この辺りでは隣家に行くのに車を使うような距離があるから、そんなにカリカリする必要も普段はないのだが、狐が寝ているところを起こせばまた不機嫌になるだろうから、こういう時には有難い代物である。
一通りが終わると、八つ時。流石に腹はまだ減らないが、晩飯のこともある。まとめて食糧を買い出しに、と思い立ち、油汚れを落とす方法の書かれたWEBサイトを閉じて、パソコンの電源を落とした。流石に昼にもなると、外気の冷たさも多少はマシになる。そういえば着替えていなかった寝間着を脱いで、適当な服と大きめのコートを羽織り、さて、これで丁度良い塩梅であろうか。いざ愛車で外出を、と考えた時、そう言えば、狐はどうしたかと居間を見てみた。
相変わらず寝ている。この分だと、帰ってくるまでは爆睡だろう。もし起きていれば、連れて行けと色々喧しかったろうから、有難い。これまで、何度かあった。その度、人の子供に化けた狐に大人用の服を被せて、近場のスーパーまで行かされた。最近は珍しいとはいえ、こんな田舎になら、妖怪がいることは特におかしくはない。しかし、それを引き連れている私には散々な注目が集まるし、狐の側も、なりが幼いのを良い事に、好き放題の我儘を言って来る。家に帰って来る頃には、軽い財布と重い荷物を私一人が背負っている、というのは、当たり前のことになっていた。だから、狐が眠っていてくれると有難いのだ。
刺激して起こさないうちに、家を出る。エンジンを掛けて、車庫から抜け出して、漸く安堵の溜息が出た。しかし、狐がいつ目覚めるとも知れない。早めに行って帰って来ることにしよう。

甘かった。
スーパーで用を済ませて帰ってきてみれば、玄関口はぐちゃぐちゃである。泥棒に荒らされたような酷い有様だった。すわ110番かと焦ったものの、よく見てみれば、何かものが盗られた様子もない。そもそも、この片田舎で盗みを働く様な阿呆はいない。もしや、と思って部屋の中を探してみれば、ティッシュだの何だのの入ったゴミ箱を、現在進行形でひっくり返している狐を、居間で見つけた。お前、と私が声を漏らしたのを聞きつけて、その顔がこちらを向く。明らかに怒りの色が見えていた。
もうこうなると、言い訳するだけ機嫌を損ねるばかりだ。平謝りに謝り、気を損ねたときの為にと買ってきておいた米菓を差し出した。一瞬で手から掠め取り、乱暴に歯で包装を食い破ってむしゃむしゃと。その間、目はずっと私を見つめたままだ。正直怖い。しかし、目を逸らせば、反省の色無しと更に怒らせるだけであろう。甘んじてその視線を受け続けて、数分経った。丁度米菓を食い終わったのと同時に、狐が、目線をずらした。同時に、尻尾文字。「かいもの」「いきたかった」「おかし」。子供か。思わず言いたくなったが、其処はぐっとこらえて、改めて謝る。迂闊なことを言えば、碌な事にはならない。付け加えて、「次に行くときは、連れていく」と、一言添えた。荒らされた家を片付ける手間を考えれば、多少の出費は気にならない。掃除に使う時間より、金の消費である。時は金なり。時間は金で代替出来る。素晴らしい言葉だと思う。閑話休題。
まぁ、それで、気分は直った、というか、許すことにしたらしい。鼻を鳴らし、分かればいいとでも言いたげな様子で、更なる米菓を要求してきた。機嫌が良くなったのを見受け、初めて、気が落ち着いた。米菓の袋を開けて渡すと、満足そうに食っている。その様子だけみれば可愛らしいものなのだが、と思いながら、部屋を見渡す。中々の荒れっぷりである。元の状態に戻すまで、どれくらい掛かるだろうか。気が滅入りそうになりながらも、腰を入れて、部屋の清掃を開始した。その内、気まぐれだろうか、狐も人に化けてちょくちょくと手伝う様になった。それなりに助けになったが、その謝礼に、当然のように菓子の追加を要求してきたのには辟易とした。色々考えた末、特売で売っていたみかんを献上することで合意と相成った。炬燵に足だけ入れてみかんの皮を剥く様子は、普通の子供とそう変わらない。全く、見かけだけなら、という言葉をこれほど実感したことはない。

 さて、そうこうしている内に夕食時である。予定では、掃除の時間を使って風呂に入り、後はゆっくりとするつもりだったのだが、そうも言っていられない。さっさと晩飯を済ませて、だらけることの補填を行うことにした。メニューは寄せ鍋である。鶏肉が安く、比較的野菜も色々とお買い得だった。折角狐という客も来ていることだからと、少し領の多いものを作ろうと思った。明日の朝のメニューが雑炊でほぼ固定するのも決め手だった。逐一の献立を考えるのは、面倒臭い。一人暮らしを始めて実感したことだ。
 鍋を出し、水を入れ、出汁を取り、野菜を切り、と、台所で調理を始める。居間のテレビでは、年末に近づいたことを実感させるバラエティ番組の特番をやっていた。芸人達が色々と悲惨な目にあっているのを見て、炬燵から顔だけ出した狐は大爆笑している。とはいっても、獣の姿のままだから、端から見ると、狐が大口を開けて鳴き声を上げているようにしか見えないが。
獣とは気楽でいいものだと思いながら、白菜を切る。次いで大根、蒟蒻、しめじなどの野菜類を用意し、豆腐を手のひらに置いて大きく切り分け……と、その辺りで、狐がテレビから離れ、てこてこと寄ってきた。何となく、腹が読めた。何も言わずにじっと私を見つめる狐に対して差し出したのは、鶏肉から引剥がした鶏皮。但し、空いたコンロに置いたフライパンでかりかりに焼き上げたもの。皮せんべいとでも言うべきだろうか。なんとも不健康で脂質多めのせんべいである。元々は、酒のアテとして自分の為に作っていたものなのだが、一度それを与えて以降、狐はこれが大好物である。鶏肉を使う料理となると、必ずこれをせがんでくるから、今回も、と思っていた。すると、案の定で、狐は大喜びでそれを食べ始めた。人間が食べても不摂生なものを与えて大丈夫か、とも思うが、妖怪である。これくらいは何ともないらしい。生活習慣病とは無縁そうで、羨ましい限りである。
そうして狐が皮せんべいを食べている内に、殆どの作業は終わった。切った食材を突っ込んだ鍋を居間の机に運び、鍋敷きの上にでんと置く。ぐつぐつと言うその中身は、中々美味そうに仕上がっているのではないかと思う。配膳を終え、ついでに、晩酌の為の安酒とグラスも出してきて、準備は完了である。皮を平らげた狐を呼び、机を囲む。どっかりと腰を下ろして、グラスに酒を注ぐと、狐が手を差し出してきた。幼い人の手である。自分にも寄越せという腹積りだろう。小さいなりをして、大層酒が好きだというのは、妖怪である証拠だろうか。とかく、狐は必ずそういうと思ったので、既にグラスはもう一個用意してある。それを渡し、なみなみと酒を注いでやる。熱燗など出来れば良かったが、疲れが溜まっていて、今日は其処までの面倒はしたくない。まぁ、冷や酒でも美味しく頂けよう、と、そういう事情は腹に収めておいて、今は、さっさとこの馳走にありつくことにしようと思う。自分のグラスにもたっぷりと注ぎ、二人分の具材を皿によそい、準備完了。頂きます、の唱和と共に、狐とグラスを打ち鳴らした。



すっかり酩酊し、良い気分である。鍋は粗方食べ尽くし、酒の瓶は一升丸ごと空になった。半分以上は狐が飲んでいる。アルコールの分解能と体の大きさの相関関係を思い出し、消費量と図体の大きさが逆転していることには少々の不平を抱いたが、そんなものは、それを飲んだ自分を想像して消し飛んだ。十分私も酔っている。これで満足しなければ、明日にも差し支えよう。狐と張り合って大酒をかっ食らい、翌日に大いに粗相をしたことはまだ記憶に新しい。
千鳥足というにはまだしっかりとした足取りで、後片付けをした。その間、狐はテレビに釘付けである。今度は、一年を振り返るニュース特番の様だ。そんなものを見たって、人間社会のことなどは妖怪に関係あるまいと思うのだが、これはこれで面白いらしい。偶に映る芸能関係のニュースなどでけらけら笑いつつも、目は一向に離れない。まぁ、手伝ってくれなくとも、大人しくしているだけ有難い。その間に、諸々の面倒は済ませてしまった。今日の食器洗いは、全自動の文明の利器に任せることにした。手で洗ったほうが良いのは百も承知だが、それだと面倒だ。もう今日は面倒を被ることは一切御免である。こうも腹一杯になって、しかもいい塩梅に酔いまで回ってしまっては、風呂に入ることすら億劫だ。それは明日の朝に回すこととして、今からは、いよいよ念願通りに自由気ままに遊ぶことにした。
とは言っても、やることは、昼間のそれとそう変わらない。ゲームをしたり、狐の見ているテレビを見たり、パソコンでネットサーフィンをしたり。その時々に、狐が文字通り首を突っ込んできたりもするが、やらなければならないことを邪魔されている訳ではなく、そのくらいは、全くの許容範囲だった。
この時間、私と狐は、恐らく一番気楽に付き合っている。酒の力とは偉大だ。理性の箍を外す代わりに、人に様々な恩恵を与える。私の場合は、寛容の心を強めるのがそれだ。多少何かをされたところで、特に怒りが湧くこともない。そのお陰で、狐が何をしていようと、おおらかに受け止めて無駄なストレスを溜める事もない。それで、狐の側もより一層気を許し、心情的に楽になるのではないだろうか。この考え自体、酒に酔ってのものでしかないのかもしれないが。
そうしている内に、時間は過ぎる。九時、十時、十一時、十二時。シンデレラの魔法が溶けても、まだ遊興に耽り続ける。そして、一時、二時。草木が眠る、人でないものの為の時になった。その頃には、私は眠気に襲われながら炬燵に潜り込んでおり、狐の方も、いい加減にうつらうつらとしていた。その辺りは、人間と生活のリズムが変わらないらしいが、妖怪とは言っても、そんなものだろうか。
半ば眠っているような感覚の中、そうして茫洋と思考を広げ、ふと見やれば、狐が限界を迎えたらしい。獣の姿に戻り、炬燵の布団の上で、丸くなろうとしていた。しかし、獣には毛皮があるとはいえ、そのままでは流石に寒かろう。丁度朝にやったように、ちょいちょいと手招きをしてやると、のたのた歩いてきて、私の隣で倒れ込むように寝てしまった。炬燵の中まで持たなかったようだ。そのままだと、結局寒さは変わらない。ひょいと抱え上げ、炬燵の中へ入れてやろうとした。しかし、今日の朝からの狐の暴虐を思い返して、これは少々灸を据えてやらねばならぬと、そんなことを思った。それで、狐が寒くなく、且つ何か思い知らせる方法は、と考えた末、狐を抱きかかえて、抱枕代わりにしてやることを思い立った。これなら、狐も私も温かく、しかも狐は少々寝苦しい思いをするであろう。それくらいのことは我慢して貰わなければ。もう意識が殆ど消えた中、そんなことを思いながら、最後に見たのは、自分が抱きしめた狐の、金色の毛並みの輝きだった。

 以上、これが私の日常である。別に面白くもない、普通の妖怪憑きの暮らしの一幕。何の変哲もないかもしれないが、決して悪くはない生活。
 だが、そんな日常も、悪くはないと思う。


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可愛い妖狐ちゃん と美味しそうなお料理が出てきてすごく私好みのお話しでした💕

白黒原稿、はじめてだったのでトーンの落とし方もわからずとっても手こずりましたが(^-^;

頑張って描いたのでアップも載せておきます~







夢好さん、素敵な機会をいただきありがとうございました(。>ω<。)
また私でよければお声かけくださいませ!



最後までお付き合いいただきありがとうございました(*^^*)