問題は、子供がやる気にならないために起きるのです。あの金沢の事故では、子供が宿題をしなかったから山に置き去りにしたとの事でした。
   では、子供がやる気になるようにするためにはどうすればいいのでしょうか。
   
   このことについて中京大学で退官された鯨岡峻先生がある魔法のような言葉を提言しています。それは、「子どもの『ある』を受け止めれば、子どもは『なる』」です。意味は「子供の『ありのままの姿』を受け止めれば、子供は自分から進んで『あるべき姿になろう』とする」という意味です。
   では、「子供の『ありのままの姿』を受け止める」ためには、どうすればいいのでしょう?
①まず、子どもの「ありのままの姿」を受け止めるというのですから、親の方から「あれをしなさい」「これをしなさい」と言いたくなるのを我慢するということです。
②子どもの「ありのままの姿」を受け止めるということは、「そう、それでいいんだよ」と肯定的に受け止めることです。そのためには、まず、子どもを見なければなりません。なぜかというと、親の関心が子どもに向かっていることが子どもに伝わらなければならないからです。
③同様に、肯定的に受け止めるためには、親がしかめ面をしていてはいけません。それでは否定的な捉え方をしている事が子供に伝わってしまいます。「それでいいんだよ」と微笑むことが必要です。
④更に、子どもの気持ちは言葉として発せられることが多いですから、それを受け止めるためには、子どもの話には耳を傾けなければなりません。
⑤さらに、もしも子どもから何か話されたり聞かれたりしたときは、(表情の「しかめ面」と同じように)穏やかな話し方で話します

  ⑥これだけで子どもは「安心感」を感じて、晴れ晴れとした意識になり、自分から進んで良い行いをしようとする時が必ずやってきます。その時を待ちましょう。(「その時」は必ずやって来ます。そこが正に「魔法」なのです。)
その行いを褒めると、子どもは必ずまた良い行いをしようとします。その時はまた褒めてあげてください。
⑧その時に、“頭を撫でる”等のスキンシップをすると効果は倍増します。

   なお、これまでの接し方は、親と子どもとの「愛着(愛の絆)」を強め、子どものストレスや不安感を軽減する愛情行為「安心7支援」によるものです。

   ここまでくればしめたものです。子どもは「お父さん、お母さんは、ぼくの良いところを見てくれている」と感じ、どんどん良い行いを繰り返します。

   私もやってみましたが、本当に魔法のように子どもは生き生きと活動するようになりました。知的障害の子どもでも同様の効果が見られました。