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過去最高に高い「小4の壁」で悶絶する母たち

前向きになるために知りたい「心構え」)


   この記事にあるように、小学校4年生と言う発達段階は、脳の働きも変化し始め、高学年という思春期の前段階にあたる大切な時期です。それまでの“子供子供”していた頃は、親の養育の仕方に多少不備な面があっても、子どもは素直に親の言うことを聞いていました。ところがこの時期になると、“自我”が目覚めてきますから、手を余す親御さんも多いと思います。前回投稿した「“口うるさい親”に対して子どもが抱いた殺意」のようなケースも、小学生の頃には子どもにあれこれと口を出していても通用していた時期から、成長とともに親に反発するようになっていった事例でした。ですから、この悩みはどのご家庭にも当てはまる重要な問題だと思います。
   
   さて、この記事にあるような「友達を仲間はずれにした」「学校の帰り道に買い食いしていた」というような症状は、明らかに子どもさんの中にストレスが溜まっているサインです。愛着の考え方で言えば、本来ストレスを癒すべき母親の「安全基地」としての機能が働いていない、いわゆる“愛着不全”の状態です。たとえ乳児期には愛着が形成されても、その後の環境次第で子どもの愛着は不安定になることはよくあります。つまり、もう一度“愛着形成をやり直す”必要があるのです。
    では、具体的に子どもに対して“どんな支援”をすれば「安全基地」の機能が再び働き出すのでしょう。記事では、担任の先生からは「精神的に不安定な一面があるので、もっと家庭でコミュニケーションをとってほしい」と言われたようですが、担任の先生はどんなイメージで「コミュニケーション」と言っているのでしょう。とても抽象的な表現で、いわゆるアドバイスの“決まり文句”のようにも感じます。
   実は以前から私は、複数の愛着理論の専門家の提案する愛着形成のための“支援方法”を調べていました。精神科医の岡田尊司氏、元倉敷市立短期大学の平山諭氏、社会福祉学博士であり臨床ソーシャルワーカーのヘネシー澄子氏、臨床教育学博士であり臨床心理士並びに日本カウンセリング学会認定スーパーバイザーの八尾勝氏、NPO法人ハートフルコミニュケーション代表理事の菅原裕子氏、各氏の意見を調べました。すると、それらの支援方法にある一定の共通点があることに気がつきました。
   ここから、この話を始めるとさらに長くなるので、続きは次回にしたいと思います。