【今回の記事】
キャリア教育とは何か

   まず、キャリア教育とは何か、つまりキャリア教育の定義からご紹介します。
キャリア教育とは、次のような教育のことを言います。
一人一人の社会的・職業的自立に向け,必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して,キャリア発達を促す教育 (中央教育審議会「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について(答申)」平成 23 年1月 31 日)

   まず、キャリア教育の目的ですが、上記定義の冒頭にあるように、「一人一人の社会的・職業的自立」です。人間が一人の社会人として、自立して社会生活を送ったり職業に就いたりすることです。学力だけ高くても、自立した社会人でなければ、社会では通用しません。
   さらに、この定義の中の必要な基盤となる能力や態度」とは何か、というと、上記の記事の18ページ目の表の左側に、その「能力や態度」に当たる4つの観点が書かれてあります。それがこの4つです。
人間関係形成能力
他者の個性を尊重し,自己の個性を発揮しながら,様々な人々とコミュニケーションを図り,協力・共同してものごとに取り組む力
情報活用能力
学ぶこと・働くことの意義や役割及びその多様性を理解し,幅広く情報を活用して,自己の進路や行き方の選択に生かす力
将来設計能力
夢や希望を持って将来の生き方や生活を考え,社会の現実を踏まえながら,前向きに自己の将来を設計する力
意思決定能力
自らの意思と責任でよりよい選択・決定を行うとともに,その過程での課題や葛藤に積極的に取り組み克服する力

   さて、「①人間関係形成能力」は、愛着形成が最も影響する能力です。「安定型」の愛着スタイルの持ち主はこの力が安定しています。「不安定型」のうちの一つ目の「回避型」は、人付き合いを避けようとします。二つ目の「不安型」は、自分がみんなからどう思われているかが不安なので、過剰に人と接しようとします。
   ②から④は、親からあれこれ口を出されたり、過保護に育てられたりした「不安型」は、自分の意思で情報を活用したり、自分の考えで将来を描いてみたり、自分の意思で物事を決定したりすることが苦手です。それよりも、放任主義で育てられた「回避型」は、自分に任せられるため、それなりに考えたり判断したりはしますが、行き詰まった時に一人で問題を抱え込んでしまい、そこで壁に当たってしまいます。
   なお、各愛着スタイルの捉え方については、本ブログの「愛着不全のタイプとその要因」(http://s.ameblo.jp/stc408tokubetusien/entry-12170006776.html?frm_id=v.jpameblo&device_id=8e57e0d77be746968fd7308a6a625313)をご参照ください。

   こうして見てくると、子どもの社会的自立のためのこの4つの力がつきにくいのは、親があれこれ口うるさく言ってくる「不安型」かもしれません。それよりも基本的に放任主義で口を出さない「回避型」の方が、「自立」はしやすいかもしれません。最も望ましいのは、以前紹介した、木村拓哉さんのお母さんの子育て方針の「遠くから見守る」という接し方だと思います。子どもから離れているので、あれこれ口を出せません。また、見守っているので、子どもが何かで困っている時にはアドバイスができるからです。
   なお、このキムタク母流子育てについては、本ブログの「キムタク母・木村悠方子さん流子育て 〜「自然体で遠くから見守る」〜」(http://s.ameblo.jp/stc408tokubetusien/entry-12192919368.html?frm_id=v.jpameblo&device_id=8e57e0d77be746968fd7308a6a625313)をご参照ください。