◇ 役者だねぇ、君は ◇ | 清瑩塾

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清瑩(せいえい)とは、“清く輝くさま”を意味する。

道路を歩いているとき、あなたは通行人です。あなたがどのような偉い人物であっても、道を歩いているときは通行人です。あなたが大金持ちであろうがなかろうが、道を歩いているときは通行人です。


電車に乗れば、あなたは鉄道会社の人から「お客様」と呼ばれます。あなたが社長であろうが、大臣であろうが、小学生であろうが、「お客様」です。電車を利用する「お客様」には乗車のルールがあります。あなたがどのような人物であろうと、乗車のルールは共通です。


あなたが職場に到着すれば、仕事をする人間に変身します。昨日に呑みすぎてしんどくても、何らかの大きな不安をかかえていても、そんなこととは関係無しに業務をこなすわけです。ここは、通行人や電車のお客様になったときと同じように、仕事上の役柄を演じればよいのです。仕事はあなた自身がするというのではなく、あなたの能力を提供する場だと捉えておけばよいでしょう。


たいていの仕事は、多くの人と関わりを持ちながら進行します。関わる人が10人いれば、そこには10通りの思考回路があります。年齢もさまざま、好き嫌いもさまざま、あらゆる価値観が異なると思ってよいでしょう。そんななか、自分を強引に押し通せば、間違いなくトラブルが発生します。ですから、考え方や行動の仕方を、コミュニケーションをとる相手によって変容させるでしょう。他人を変えることは難しいですから、自分を変えるわけです。


仕事が終わって家に帰れば、あなたは一市民です。職種や地位など何の関係もありません。或いは、家に帰れば夫や妻であったり父親や母親であったりする人もいるでしょう。夫は夫として、妻は妻としての時間を過ごします。


ベテランの社会人ならば、このように、1日に何役もの役柄を演じながら過ごしています。「いや、自分は常に本当の自分として振る舞っています」と言う人がいるかも知れませんが、やはりそれでは困る場合がほとんどです。困る理由は、どうしても感情的になってしまい、論理的な思考が妨げられることが多いからです。


役を演じているのだと捉えると、身の回りで起こっていることを俯瞰的、或いは鳥瞰的に捉えることができ、問題の解決方法を論理的に考えることができます。また、自分がとった行動を客観的に評価することができます。簡単に言えば、心に余裕を持たせることができるというわけです。


さあ、明日はどんな自分を演出しましょうか?(^o^)