温暖化(温室効果ガス)対策法案についての、本日の報道について、各紙の記事を紹介する。原子力発電について、日経朝刊は「原発推進明記せず」、時事は「原発利用を明記」、産経は「原発の利用の合意を得るため、計画が4月にずれ込む」と報道。果たして、どの情報が正しいのか。同じ日の同一情報源からの情報と思うが。

温暖化対策法案、原発推進明記せず 社民慎重論に配慮  2010.2.23 (11:40) 日経朝刊

 国の温暖化政策の指針となる地球温暖化対策基本法案(仮称)の全容が明らかになった。国内の温暖化ガスの排出量を2020年までに1990年比25% 減、50年までに同80%減とする目標を明記、排出量取引制度の創設も盛った。一方で排出減につながる原子力発電の利用推進には触れていない。連立政権を 組む社民党に配慮したとみられる。
 政府は23日に産業界や労働組合関係者らからヒアリングするとともに、地球温暖化問題に関する閣僚委員会の副大臣級検討チームを開き、法案を議論。来月 5日の閣議決定を目指す。ただ原発の利用拡大なしに目標の達成は難しく、政府内には法案に対する異論も出ている。

温暖化法案、原発利用を明記=連立相手の社民にも配慮-小沢環境相 2010/02/23 16:09  時事通信社

 小沢鋭仁環境相は23日の閣議後記者会見で、政府が今国会に提出する地球温暖化対策基本法案について「原発の記載が全くないのはありえない」と述べ、原 子力発電の利用を明記する方針を示した。直嶋正行経済産業相も同日の会見で「原発についても(法案に)きちっと書き込む」と強調した。
 ただ、小沢氏は「書きぶりは社民党の意見も十分踏まえなくてはならない」と述べ、連立政権のパートナーで「脱原発」を掲げる社民党に配慮する姿勢もにじませた。 
 同基本法の環境省案は、原発に関連する革新的な技術開発と普及促進を図ることを明記している。

小沢環境相 温室効果ガス削減の行程表に「エネルギー基本計画」を反映 2010.2.23 11:36  産経

 小沢鋭仁環境相は23日の閣議後の記者会見で、温室効果ガスの排出削減に向けた道筋を示すロードマップ(行程表)作りに、中長期的なエネルギー政策の指針「エネルギー基本計画」に関する議論の結果を反映させる方針を示した。
 行程表は政府が今国会に提出する地球温暖化対策基本法案(仮称)に基づく具体策を盛り込むものだが、小沢環境相は「(6月の閣議決定を目指す)エネルギー基本計画の改定作業があることは承知している。そういったものを取り込める行程表にしていきたい」と強調した。
 政府は、2020年までに温暖化ガス排出量を1990年比で25%削減する目標の達成に向け、3月中にも行程表をまとめる予定。現在、関係省庁の副大臣級で調整を進めているが、再生可能エネルギーや原子力発電の利用促進策が焦点となるエネルギー基本計画の改定作業の影響で、4月以降にずれ込む可能性もありそうだ。

日経夕刊に次の記事があった。日経の記者は17日の配布資料(小沢試案)を読んでいなかったのか。

温暖化対策法案、原発の記述盛り込む方針 環境相 2010.2.23 (13:01) 日経夕刊

 小沢鋭仁環境相は23日の閣議後の記者会見で、今国会で成立を目指す地球温暖化対策基本法案(仮称)での原子力発電の扱いについて、「原発に関しての記 載がまったくないという話はあり得ない」と語り、一定の記述を盛り込む方針を表明した。原発に慎重な社民党には「配慮は当然しなければいけない」と指摘。 法案の内容については「原発が温暖化に有用だという判断まで踏み込めるかどうかは分からない」との認識も示した。
 直嶋正行経済産業相も同日午前の記者会見で「どういう書き込み方をするかを今議論をしているところだ」と述べた。