300年前の18世紀初頭に,Newcomenが蒸気機関を発明し、人類は人工的動力を手に入れた。炭坑から石炭を掘り出すため、この蒸気機関が使われた。それから約半世紀後に、Wattの復水器の改良発明により蒸気機関の効率を向上させた。その後、工場の動力や移動手段に使われてきた。トレシビックは、蒸気機関車を発明し、スティーブンソンが、それを鉄道に利用し営業的に成功させた。今から約160年前、約3400万人の日本のエネルギーのほぼ全てが薪炭であった時、石炭を動力源とするペリーらの黒船が来航した。人類は、300年にわたって石炭、石油、天然ガスの化石燃料を地中から掘り出し、燃焼させ、二酸化炭素を排出してきた。

 21世紀に入り、中国、インドなどの巨大人口の新興国の経済発展により、エネルギー消費量が飛躍的に増加している。特に石炭の消費が大幅に増加した。その結果、温室効果ガスの多くを占める二酸化炭素が急増している。発生する大量の温室効果ガスがどのような影響を及ぼすか予想はつかないが、気がついた時は手遅れにならないように、温室効果ガスの抑制に多くの努力が必要と思う。

 化石燃料を使わずに、エネルギー源を木材に求めたらどうかと思いつき、森林の利用について、試算を行ったので紹介する。

 明治政府は、治水のため外国人技術者を招聘した。デ・レーケは、長年の建材・燃料使用のため禿げ山になっていた山の植林の指導を行った。その後、多くの方々が植林事業を継続した。戦時中の統制経済下に置ける木材強制供出、戦後の復興資材の調達により、再び荒廃した山地になった。戦後、建材の獲得のため植林が推奨され、50年間で倍増の44億32百万m3(177m3/ha)の森林資源の蓄積となった。この50年間、海外の安価な材木に押され、薪炭からガス、石油、石炭へのエネルギー転換が進み、森林資源の利用が進まず、林業従事者が激減して、5万人を割る状況となっている。このため、森林の手入れが不十分となり、過剰蓄積による全体の死滅も間近と言われている森林が増加している。

林野庁白書
http://www.rinya.maff.go.jp/j/kikaku/hakusyo/20hakusho/index.html
http://www.rinya.maff.go.jp/j/kikaku/hakusyo/20hakusho_h/all/h13.html


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