5月13日行われた米下院歳入委員会公聴会において、タイUSTR代表は、バイデン政権の貿易政策を語った。(上院財政委員会は12日)

 タイUSTR代表の証言に、注目すべき提案があった。米国の通商法は古く、「中国の反競争的行為が米国の主要なハイテク産業にもたらす脅威について、損害が発生してから対応するのではなく、予防のための新たな通商法制が必要との認識を示した。」  1962年通商拡大法232条(安全保障の理由)の法改正を要請した。さらに、1974年通商法第301条(外国による不公正な貿易慣行)に基づく対中国制裁に関する2019年12月のトランプ政権と中国の合意が2021年12月末に失効することから、対中通商政策の徹底的な見直しを行っていると報告している。

 対中国通商政策を進める上で、通商法の改正が進められるとしたら、TPA法(元々1974年通商法の第1編)も含まれるはずで、タイUSTR代表の証言は、年内に改正通商法を成立させる意図と考えられる。

 

(2015年TPA法は、2021年7月1日に失効し、延長ではなく改正(新法)が必要である。憲法上議会が有する通商交渉権限を一時的に大統領(行政府)に委譲する法律で、この法律がなければ、大統領は他国との通商交渉ができない。)

 

ロイター 5月14日

USTR代表、中国脅威へ対応で新たな通商法制の必要性指摘

 

下院歳入委員会 13日公聴会

 

上院財政委員会 12日公聴会