これまで、商品化されている主流のシリコン結晶系のPVを説明してきたが、その他の方式のPVを簡単に紹介する。
米国立再生可能エネルギー研究所(NREL)が、PV効率のチャンピオン・データを更新している。PVの分類別に表示されている。

・Multijunction Cell(多接合セル)
 PVの単一の接合の吸収波長は太陽光のスペクトルの一部であり、吸収波長の異なる物質の接合を重ねて吸収範囲を広げる。NRELやシャープの実験室段階のデータ、商品化に至らず。

・Single-Junction GaAs(ガリウム・ヒ素単接合セル)
 宇宙用など特殊用途向け

・Crystalline Si Cell(シリコン結晶系セル)
 市販されているPVの主流。単結晶、多結晶のシリコンウェーハーを使用

・Thine-Film Technologies(薄膜系)
 シリコン薄膜(カネカ)、CIGS(ホンダ、2014年撤退)やCIS系(昭和シェル)の化合物系薄膜
 カドミウム・テルルの薄膜(ファースト・ソーラー)

・Emerging PV(新PV)
 色素増感型、ペロブスカイト型、有機セル型、無機化合物型、量子ドット型
 研究段階、商品化に至らず

National Renewable Energy Laboratory

筆者が調べた各種太陽光発電の一覧表と産総研の分類を下記に添付する。

産総研の解説

PV製造において使われる材料(注)を合わせて記載しているが、中には有害物質もある。災害による破損あるいは将来寿命到達による廃棄を考慮して選択することをすすめる。

 

(注)製造に使われる材料は化合して別の形態になる。例:POCl3は、シリコンにP(リン)を拡散するための材料

太陽光発電(PV)のまとめ

 

PVはシリコン製造過程で大量の二酸化炭素大量を発生させ大量のの電力量を使用し、夜間や天候不順時に備えバックアップ用の火力発電、揚水発電、蓄電池など二重の投資が必要であり、寿命がくればそのまま廃棄せざるを得ない。何重にもダーティなのである。

太陽光に代わる「太陽熱発電」があるが、巨大なシステムになるので普及は進んでいない。
特徴
・光ではなく熱を鏡で集光し溶融塩に蓄熱する。
・溶融塩と水との熱交換を行い蒸気をタービンに送り発電する。
・蓄熱が出来るので発電時間を平準化できる。(夜間も発電)
・太陽追従型の鏡を多く設置するので、砂漠や原野などの広大な土地に向いている。
Wiki

(太陽光発電終わり)