マイダン革命「米国の関与」

2013年12月始め
ジョン・マケイン上院議員(共和)やビクトリア・ヌーランド国務次官補等の米国のネオコンのメンバーがキエフ独立広場で抗議行動参加者を支援する姿が見られた。

2013年12月13日、
ビクトリア・ヌーランドは、ワシントンの記者クラブで、ウクライナでの扇動にアメリカは50億ドル“投資した”と語った。

下記記事は、ヌーランド氏と駐ウクライナ大使との会話がロシア側に盗聴され公開されたという内容だが、EUの悪口だけでなくウクライナ騒乱の打ち合わせも含まれていた。(下記小手川大助氏記事に詳細)

AFP 2014年2月7日
米国務次官補が「EUくそくらえ」、電話盗聴され暴露

狙撃兵の雇い主「民族主義過激派が仕組んだ」
エストニアのポエト外相とEUのアシュトン外相との電話会談で、ポエト外相がウクライナの前与党(地域党)関係者から聞いた話としてこれを伝え、アシュトン外相は驚愕。この会話が盗聴されてインターネットに流され、ポエト外相はその会話が事実だったことを認めている。

キヤノングローバル戦略研究所 小手川大助氏
ウクライナ問題について 2014年3月20日投稿
「狙撃兵は反対運動側が雇う、ヌーランド氏と駐ウクライナ大使との会話の内容は反対勢力の情報交換、13年11月デモ隊にクッキーを配るヌーランドなどの記事。」

2014年4月初め
ジョン・ブレナンCIA長官キエフ入り、対テロ作戦のためと言われている。
(キエフ空港では、CIA職員や民間軍事企業社員の出入りが目撃されている。)
2014年4月21日
バイデン副大統領 キエフ入り

2014年5月~6月
バイデン副大統領の次男ハンター・バイデンとケリー国務長官の資金調達者がウクライナ・ガス会社の重役に就任。

ウクライナとカザフスタン

2014年マイダン革命は、選挙で選ばれた親露派のヤヌコーヴィチ大統領及び閣僚等が政権維持の見込みが無い状態で「狙撃兵がデモ隊と治安部隊を狙った」意味を知り、命からがらウクライナを脱出した武力革命だと言える。このシナリオを考え周到に準備して実行したのは、ビクトリア・ヌーランド国務次官補(現、国務次官)であると言われている。彼女は、上司のケリー国務長官(現、気候問題特使)、バイデン副大統領(現、大統領)、ジョン・マケイン上院議員(共和党、2018年死去)などネオコンと言われている方々から支持されている。

愛知大学の古村治彦先生が、彼女を「恐ろしい外交官」と紹介している。
ビクトリア・ヌーランド大使(国務省HP)
(トランプ政権時離職しバイデン政権で復帰)

プーチン大統領は、2014年ウクライナを奪われたがクリミア半島を確保した。昨年よりウクライナ侵攻の動きを見せていることに、多くの方がその意図を図りかねている。ソビエトやロシア帝国には戻れないし、キエフ・ルーシを祖国とする大ロシア連邦を目指しているのだろうか。そのキエフはウクライナにある。(ルーシはロシアの語源でもある)

ウクライナに対する攻略が固まらないうちに、カザフスタンでウクライナのマイダン革命に類似した騒乱になっている。カザフスタンの腐敗した独裁政権への不満、物価上昇に苦しむ国民、そしてエネルギー不足に追い打ちをかけた中国からの大量のマイニングリグ移設でさらに電力不足(供給能力の約10%を消費)、そこに1月よりLPGなどの燃料価格を2倍に上げる政策を公示していた。その状況を見ていれば、カザフスタン騒乱の準備ができる。それを実行したのはあの女史の名前が浮かぶ。

 

プーチン大統領もカザフスタン政府も8年前のマイダン革命を思い出したに違いない。カザフスタン大統領が事実確認が不十分な段階で「国内外のテロリスト」と言明したのは、彼女の名前が浮かんだのだろうと推測する。

 

カザフスタン騒乱の行方は分からないが、決定的にウクライナと異なるのは野党が存在しないことである。

 

プーチン大統領としては二正面作戦を余儀なくされ、ウクライナへの圧力を維持するのが難しくなるだろう。さらには、ロシアが主導する軍事同盟CSTO内の国に飛び火すれば収拾が付かなくなる。プーチン大統領は二敗を喫するのだろうか、それともリベンジの方法があるのだろうか。