ウクライナのNATO加盟を巡る米欧とロシアの協議は、10日ジュネーブでの米露「戦略的安定対話」、12日ブリュッセルでの「NATO・ロシア理事会」、13日ウィーンでの欧州安保協力機構(OSCE)の会合と続いたが、議論は平行線のままで終わった。

時事 1月14日
ロシア強硬、ウクライナ緊張続く 米欧との一連の協議終了
CNN 1月13日
ロシア、ウクライナ情勢の緊張緩和を約束せず 米国務副長官

ロシアは、ウクライナの奪還に向けて工作を開始

CNN 1月15日
ロシア、ウクライナ侵攻を正当化する「偽旗作戦」準備か 米諜報
朝日 1月15日
ロシア、意図的に衝突起こす作戦を準備か ウクライナ侵攻を米が警戒
時事 1月15日
米、ロシアが偽装工作と警告 ウクライナ侵攻の口実づくりか

 

ウクライナでサイバー攻撃 省庁サイト標的、NATOが非難

周辺国は、ロシアの侵攻に備えて準備を始めた。下記記事の他に、デンマーク、スウェーデンなどの軍事的プレゼンスの強化も伝えられている。
産経 1月6日
フィンランド NATO加盟の権利主張 欧露間で緊張も
ロイター 1月14日
ロシア、ウクライナ協議「手詰まり」 ポーランドは戦争リスク警告

推測だが、ロシアがウクライナ内部に工作員を送り、マイダン革命のように権力奪取を行い、カザフスタンと同じようにロシア軍の派遣を要請し、侵攻したロシア軍が支配を固めるという、作戦と考えられる。

 

NATO各国の当事者は侵攻は避けられないとの思いで、軍事的準備を進めている。

米国は、金融制裁とノルドストリーム2の稼動禁止を行うと表明している。
ロイター 1月13日
米上院民主党、ウクライナ支援のロシア制裁法案発表

(補足)カザフスラン騒乱
はじめは、米国によるマイダン革命の可能性を考えたが、そうではないようだ。

トカエフ・カザフ大統領とプーチン大統領が、デモ隊は国内外のテロリストだと決めつけ、1月5日協議、6日ロシア空挺部隊をカザフに送り込んだ。10日CSTO(軍事同盟)首脳会議で、プーチン大統領が2014年のウクライナ・マイダン革命の手法がとられたと発言。カザフ騒乱の結果は、ナザルバエフ前大統領と側近を拘束、国民の不満を前大統領派に押しつけ、燃料値上げ政策を元に戻した。164人の死亡者を出し、12.000人を拘束して鎮圧した。その後、トカエフ大統領は、前大統領派のクーデターの企てもあったと非難した。プーチン大統領も習主席もトカエフ大統領支持を表明した。
米国務省の報道官は、11日の記者会見で、カザフスタンの沈静化を歓迎すると表明した。

以上から、トカエフとプーチンが自衛手段としてマイダン革命をまねて騒乱を起こし、カザフでは前大統領派の勢力を排除し、プーチンはカザフへの派兵によりCSTO(ロシア軍事同盟)内の革命を許さないとの意志を示した、との理解に至った。カザフスタン政権は、死者と拘留者の国籍などの身元調査を発表していない。(国内外のテロリストは?)

 

(次回、ノルドストリームについて)