2月2日のロイターおよびブルームバーグの報道によると、USTRのビアンキ次席代表が「インド太平洋地域での新しい経済枠組み」を数週間後に発表すると予告した。

「署名した国の市場アクセス改善は含まれないが、デジタル通商政策や労働規則、環境基準、サプライチェーンの耐性に関する交渉で、米国は貿易パートナーに基準の高い「拘束力のある約束」を求める方針」と語っている。

「市場アクセスを含まず」とは関税交渉を行わず、非関税障壁の「拘束力のある約束」、即ち条約締結を行うためには、TPA法の下での交渉となるはずだ。数週間後に発表が予定されている「経済枠組み」において、TPA法の更新についても方針を示さなければなければならないだろう。

ブルームバーグは、レモンド米商務長官「インド太平洋経済枠組み」の構想をタイUSTR代表と共同で進めている、バイデン政権はTPPに再加入しない方針を明確にしていると報じている。

 

ロイター 2月2日
第1段階の通商合意、中国は「約束果たさず」=米高官

ブルームバーグ 2月2日
バイデン政権、インド太平洋経済の新たな枠組み巡る詳細共有へ

2月4日の日経にアジア太平洋経済枠組みの解説が掲載されている。(添付記事)「経済安保では米国並みの厳しい輸出管理に同調するよう求めるが、相手国から報復を受けかねない禁輸措置などに日本は難色を示す。」と危惧している。

 

TPA法に基づく通商協定ならば、米国の相手国は条約締結となり、米国にとっては「国内法」の扱いになり、米国が主導する各種規制が締約国に及ぶ。従わなければ締約国も制裁を受けることになるだろう。