プーチンのウクライナ侵略はほぼ予想通りの展開を見せているが、予想に反してウクライナ軍の善戦とロシア軍の作戦計画の杜撰さにより、ロシア軍の進軍が大幅に遅れている。ウクライナ軍が入手したロシア軍の作戦計画では、2月20日に作戦開始、3月6日には占領終結の予定だったが、2月24日の開戦後一週間経た今(3月4日)キエフやハリコフの大都市防衛線が破られていない。その遅れは、ロシア軍の兵站が不十分で食料や燃料などの補給が不足し、徴兵した兵士の士気低下などが要因と報じられている。
下記NHKのクーリエ・ジャポンが、誤配信された予定稿「RIAノーボスチ通信が2月26日午前8時(モスクワ時間)にウェブ上で掲載した「ロシアと新たな世界の到来」という署名記事」に、2月24日から48時間後26日にキエフ陥落の勝利宣言をおこなうと書かれていたと報じている。つまり、最初は2日間の戦闘で終わる予定であったようだ。兵站が不十分だったのは、この短期決戦の計画によるものであった可能性が高い。上記3月6日に作戦終了する計画書はその後修正された計画書かも知れない。(この計画書の真偽は不明)

 

下記は在日ウクライナ大使館のツイッター、3月4日朝までの戦果

ロシアの損失:戦死9,166人(ロシア側発表498人)、ウクライナ側の兵力の損失は発表されていない。民間人の死者約2000人と発表されている。

MFA of Ukraine


朝日 3月2日

ウクライナ当局「民間人死者は2千人超」南部ではロシア軍が都市包

時事 3月3日
ロシア「軍戦死者498人」 ウクライナ侵攻後初の公表―3日に停戦交渉か
 

精神状態が疑われるプーチンは、核使用の準備をさせ、ウクライナ南部の最大のザポリージャ原発を攻撃させ、一時は攻撃を受けた建物が炎上しチェルノブイリ原発事故を超える爆発を懸念されたが、消火された後ロシア軍の管理下に置かれた。ロシア軍が適切に管理すれば爆発に至ることはないと思うが、電力供給を止めウクライナ国民の士気を低下させることは可能になる。
プーチンはこの世の終わりを実行しかねない最悪の危険人物である。
AFP 2月27日
プーチン氏、核部隊に厳戒命令

NHK 3月4日
ウクライナ ザポリージャ原発 “ロシア軍が占拠”【なぜ?】

プーチンの狙いは、ロシア、ベラルーシ、ウクライナをまとめ大ロシア国をつくりたいと考えていることが、各種報道で伝えられている。
NHK 2月28日
【詳しく】ロシアはなぜウクライナに侵攻したのか?背景は?

NHK クーリエ・ジャポン 3月1日
ロシア国営通信が「勝利記事」の予定稿を誤送信! その署名記事でバレた「プーチンの真の狙い」

時事通信 2月23日
親ロ地域へ派兵、プーチンの狙いは「ウクライナ解体」か【解説委員室から】

アメリカ大使館 3月4日
侵攻の正当化を企むプーチン大統領の修正主義的歴史観

米国の関与
私のブログ「ウクライナ・マイダン革命」に米国のいわゆるネオコンの関与を紹介しているが、昨日下記のYoutubeが投稿された。

日米関係特に日米開戦に至る米国政治潮流に関する著作を出した渡辺惣樹氏がYoutubeで次のように語っている。バイデン大統領を含む8年前の役者がバイデン政権に戻ったことがプーチンにウクライナ奪取を決心させたようだ。

8分より「アメリカのネオコンを警戒する識者は、ヌーランドを国務次官に引き上げた時点で、アメリカはプーチンを最後まで追い詰めるつもりだなと、みんな気がついていましたね。」

13分50秒「トランプは、EUと役割を終えたNATOの東進に反対し軍事援助の削減を提案した。トランプ政権が続けば折り合いがつけられたんですよ。」

ウクライナ◯争を語る/渡辺惣樹先生と対談01

ウクライナ・マイダン革命(1/2)
ウクライナ・マイダン革命(2/2)

 

プーチンはウクライナを含めた「大ロシア国」を夢見て、8年前苦杯を喫した相手(バイデン政権)が再び現れ追い詰められると認識し引き返せない道を選んだのだろうと思われる。

 

「2014年のマイダン革命の背景とそこに至るウクライナの近代史の動画」(1時間32分)

 

バイデン副大統領(現:大統領)、故マケイン上院議員、ケリー国務長官(現:気候変動問題大統領特使ヌーランド国務次官補(現:国務次官)等のウクライナでの活動記録が紹介されている。
米国のオリバー・ストーン監督の制作。プーチンに密着取材しプロパガンダ映画を作成した方であり、その意味でバイアスがかかっている。米国内では、プーチン擁護派と見られている。

ウクライナ・オン・ファイヤー 日本語字幕