韓国・尹政権は、対日関係改善に向けて、3月6日に「徴用」問題の解決策を発表し、3月16日の東京における日韓首脳会談で韓国の解決策を確認した。「徴用」「輸出管理」の問題解決には、米国が日韓の間を取り持ち、韓国が後戻りできないよう釘を刺したように思われる?

日経 3月7日
元徴用工問題、韓国内の説得が課題 「日本の措置必要」
読売 3月6日
韓国財団が日本企業の賠償肩代わり、「元徴用工」解決策発表
聯合ニュース 3月6日
韓国政府 「徴用」解決策を発表=財団が肩代わり

首相官邸発表 3月6日
旧朝鮮半島出身労働者問題についての会見
日韓首脳会談 3月16日
日韓共同記者会見(岸田総理冒頭発言)

 

「徴用」問題解決に米国政府と駐日英国大使館が次の声明を発表している。
バイデン大統領声明
ブリンケン国務長官
シャーマン国務副長官
エマニュエル駐日米国大使
ゴールドバーグ駐韓米国大使

ロングボトム駐日英国大使も歓迎の声明

 

「輸出管理」
並行して行われた輸出管理対策対話では、韓国側がWTOへの申立てを取り下げる方針を確認し、2019年、韓国をホワイト国(グループA)からグループBにカテゴリーを下げ、フッ化水素、フッ化ポリイミド、レジストの包括輸出申請から個別申請に切り替えた措置について運用の見直しを行うこととし、ホワイト国復帰は今後の対話を継続することとした。(3月16日)
日韓の対話の前、2月28日にはハワイで日米韓の経済安保対話を行っている。
経産省 3月16日
日韓輸出管理政策対話を実施しました
JETRO 3月1日
日米韓が初の経済安保対話を開催、重要・新興技術での協力を議論
NHK 3月6日
経産省 “韓国向けの輸出管理で日韓局長級対話 近く開催へ“
3月16日 エマニュエル駐日米国大使声明
「新時代における初日の幕が開いた。日本の対韓輸出規制の解除と韓国のWTO提訴取り下げは、米国の同盟国である両国が、今まさにこのチャンスを捉えようとする姿を示している。我々が目にしているのは、両国の首脳が21世紀の機会を最大限に活かすために不可欠な大胆さなのだ。」

以上のように大統領を初め国務省のトップの徴用問題と輸出管理問題への声明を読めば、今回の合意に向けて米国政府の強い後押しがあったことが理解できるだろう。マスメディアはこの米国政府の働きをほとんど報道していないし、コリア・ウォッチャーも認識していない。そして、これだけ多くの方々が今回の合意を賞賛していることは、韓国にとって後戻りできなくなるよう楔を打ち込んだことになる。
なお、輸出管理については、米商務省が主導する「国際貿易管理レジーム」の情報共有がベースであり、2019年韓国をホワイト国から外したのは何らかの情報提供があったと思われる。

国際輸出管理レジーム(CISTEC)
https://www.cistec.or.jp/export/yukan_kiso/index.html