家に帰れば待ったなしで煩雑な日常が怒涛の様に押し寄せてきて、子供達は口々にママー!と私を求めてくるし
あの舞台って幻か何かだった⁈
私ほんとにやったのか⁈
とあっという間に遠い記憶になってしまいそうなので
今のうちにここに諸々を記しておきます!
この舞台
私が今年の夏に脚本家の石原由理さん脚色・演出による失語症者の朗読劇『言葉つなく明日へ』に出演した事がきっかけで
今度は石原さんの脚本でホームズ物の朗読劇をやってみないかとお声がけ頂きました
企画は私の所属している事務所リノアの方で引き受ける事になりプロジェクトがスタートしたのですが
2人での朗読劇という事で、まずはホームズ役をどなたにお願いするかという最大の問題が。
この時点で石原さんの中では私はアイリーンとワトソンという想定だったそうな。
そこで私が最初に思い浮かべたのがゆみさんでした
冷静沈着で頭脳明晰
推理と観察の天才、シャーロック・ホームズ
私のファーストインプレッションは間違いない!
とお誘いしてみると
実は退団以来お芝居は封印しているけれど
めおちゃんと一緒に出来るならやってみます!
と嬉しいお言葉を頂きました
いざお稽古を始めてみると
いわゆる男役声がとても声帯に負担がかかる事に
2人共気付いて…
今回は朗読劇なので、いわゆる男役の低い声や宝塚っぽいお芝居がことさら求められている訳では無かったのですが
それでも男性役を演じる時に声を意識的ある程度下げると、とにかく声帯が疲労してしまう
2人だけで物語を紡いでいくので台詞量も多く、
下手すると翌日には声が枯れて使い物にならなくなってしまうので、私もゆみさんも喉をなるべく酷使させずに演じ切るという事にとても苦心しました。
現役時代、あの公演スケジュールで歌って踊って芝居した上で喉を保っていたというのは、一体どういう事なんだろう?
もちろん若さもありますが、今となっては自分でも謎です…
オンライン稽古が始まった頃は
どうにも声の調子が掴めなくて…
この頃はまだ暑かったなぁ
特にゆみさんは朗読劇の稽古をしながらコンサートの本番があったりもしたので、本当にご苦労が多かったことと思います
そして昔から知ってはいたけれど、ゆみさんはホームズの様にどんな時でも冷静沈着に俯瞰で物事を見つめられる方だなぁと痛感しました。
今回私も企画側と一緒になって、フライヤー製作から会場をどこにするか、音響照明さんをどの程度入れるかなど、スタッフ的なお仕事もさせて頂きましたが
まぁ抜けの多い性格なのであれこれやらかして…
そんな時はいつもゆみさんが的確なサポートをして下さり
舞台上の事もスタッフサイドの事も沢山アイデアを出して下さって、この舞台を良いものにしようと妥協せずに取り組んでいる姿から私も沢山学ばせて頂きました
流石だな…という言葉しか出てきません!
上級生だから持ち上げているとかではなく、本当に心の底から、爪の垢煎じて飲ませてもらいたいって思いました
作品の内容に感しては、若干のネタバレになってしまいますが…
アイリーン・アドラーがとても魅力的な人物で演じ甲斐があり
本番もド緊張ではありましたがそんな中でも純粋に「役を楽しむ」ということが出来たと思います。
原作でもそんなに登場時間というか台詞自体は多くなく謎めいた人物として描かれていますが
弱者に対してはどこまでも優しく
強者に対してはしたたかで強く
ホームズにも
「あなたは聖女なのか悪女なのか…」
と言わしめる謎の女性。
石原さんの脚本の中では実際その両面を矛盾することなく持った多面的な人物になっていると感じて
その辺が演じていて役者冥利に尽きるというか、とても演じ甲斐のある役でした。
これは7月の朗読劇でも感じた事ですが、十数年間男役をやってきたとは言え私の生物学上の性は女性なのでw
やってみれば普通に女性の役の方がやはり理解しやすいし感情も掴みやすいです。
声も既に退団後十数年、普通に女性のトーンを使っているのでやりにくい事も無かったですし。
あとは、ホームズのアパートの管理人のミス・ハドソンや、アイリーンの館の下女など
私は女性役担当だったのでワトソン以外はそういった役を演じたのですが
それがとてもとても楽しかった!!
ほんの数言の台詞の中にキャラクターや主要な役との間の関係性などが詰まっているというか、こういう役にこそお芝居の醍醐味を感じました
舞台袖から…
ミニライブでは
2人で白と緑の衣装になりクリスマス感を!
私は一応ピアスと靴が緑です🎄
と言いつつクリスマスソングは私が歌った
「Let it snow 」だけなのですがw
左の男性はピアニストの山田昌平さん。
今回沢山の無茶振りを聞いて頂き、本当に感謝しかありません!!
結局クリスマスソングが殆どナンバーリストに入らなかったので、ラストは山田さんの弾くクリスマスナンバーを聞いて頂きながらのお客さまのご退場としました
少しでもクリスマス気分を感じて頂けたのではないかなと!
演出の石原由理さんとも。
ゆみさんは昼の部と夜の部で、歌う曲を一部変えたりそれに合わせて衣装も変えたりして下さって
こちらはシルバーに黒ベストで!
両方の回をご観劇下さった方も満足して頂けたのではないかなと思います
石原さんとは30年来の友人で、現役時代は私の舞台を観に来てもらったり、石原さんが携わった作品を観に行ったりしながら感想を言い合う演劇オタク的な友人でした。
石原さんのロンドンでの仕事にタイミング良く公演後のオフが重なったので一緒について行って
小学生以来のシャーロッキアンな私は1人でベイカー街のシャーロックホームズ博物館を訪れて悦に入ったりしていたのが
もう20年以上も前の下級生時代の話!
こうやって長い年月を経てホームズの作品を朗読劇として上演することになったのかと思うと
不思議なご縁を感じ感慨深いです
…と長くなりましたが、以上が私の朗読劇忘備録です。
自分の心の内を整理するためにつらつらとここまで書いてきて
台の上でお芝居したり歌ったりしていると、意識が過去にも未来にも飛んでいなくて
今ここ!に集中しているから
私にとっては生きてる!って実感出来る瞬間で
それがとても快感なんだろうな〜!
とおのれを自己分析しました
観劇にいらして下さったOGさん達
紫陽レネさん
白華れみさん
桜帆ゆかりさん
花組時代の懐かしい人たち
同期の真白ふありさん
ゆみさんの雪組時代の下級生
沙月愛奈さん
舞園るりさん