11/24の夜の話。

中崎町のcommon cafe にて。

昼間は大阪国際会議場で勉強会。
シャトルバスで大阪駅へと戻ってきたのは16時頃。

本屋に雑貨店を巡って、ロッテリアで早めの夕飯。
谷町線の中崎駅近くだけど、
今いる処から、カフェまで約600m だった。

歩いて行こうと、EST と HEP FIVE の間をてくてくと。

ボートピア梅田の向こうはお店がぽつりポツリとなって、人通りは疎らに。
古い建物と高層マンションの間の薄暗がりのなか、のぼってくる十六夜の月が
クリーム色に輝いて綺麗だなと思っていると中崎駅前に。

古ぼけたビルの地下1階が今日の目的地のカフェ[i:51]







入口の看板で確かめて、店内に入ると、壁一面の本棚が。
朗読会の会場はたいてい、本がたくさんある。
店は広くて、木目調で天井は高く、
思ったよりも綺麗でお洒落な内装。

ああここか、と入ると、夏に閉鎖したと聞いた創徳庵のマスターらしい男性がカウンターで対応してくれた。
眼鏡と髪型から多分そうかな?と。
尋ねてみようかと思ったけど、次々来る客の対応で忙しくて聞けなかった。

でも、写真撮影とSNS投稿は許可をもらいました。


演劇をしてる女性グループ、若いカップル、男性一人客はライターらしい。
ちょっと場違いな集いに来たけど、興味津々というか、ワクワクする気持ちで開演待ち。


時間になると、入口や厨房には暗幕をかけて、照明もうっすらと。

女性二人の「かなたのひ」と、男性二人の「暗闇朗読隊」が現れ、オープニング曲を演奏。
サックスとトランペットのほのぼのして、ちょっとおどけた明るい調べ。



まずは「かなたのひ」から。
樋野展子さんが吹くサックスに、
たなかひろこさんは本を読む。

和服の二人にあわせたようかのブックカバーで、何を読んでるかはわからない。
読み終わった後に教えてくれます。

教科書に載った作品から選ぶそうで、朗読途中でわかる。


最初の朗読は斎藤隆介「モチモチの木」
ちょっと哀しい音色に落ち着いた口調に、淋しい山里にいる雰囲気に。
じさま、豆太の暮らしを空から覗きこんでいるような感覚。

「モチモチの木」は10歳頃に見た影絵劇で知ったけど、こんな話だったかな。
胸をしめつけるような風の音に、モチモチの木が様々な色に輝いていたのが今も印象深く残る劇だった。
綺麗な物語というイメージしか残っていない。
小学生の頃は、ほぼ毎学年の夏あたりに影絵劇を見に行っていた。
その会場となった八幡市民会館は数年前に、公民館や図書館とともに取り壊されてしまったとも思い出しながら、猟師と孫の物語を聴く。



次の朗読も、斎藤隆介の「極楽山」という作品。

極楽山で起こった悲惨な出来事が語られていく。


ここでまた、連想したことには、八幡製鐵所の近くにある「天神」という町は明治初めまでは、「鬼ヶ原」と地名だった。
不毛の土地で草だらけ、鬼しか住めないから、「鬼ヶ原」と云われたらしい。
でも、室町時代には商売人が住んでいた痕跡がある処。


「極楽山」には断ち切りたい悲しみに、忘れてはいけない心構えを語ろうとしてるかと。




そして、これまでの暗く沈んだ雰囲気をぶち壊すべき現れたのは、
「暗闇朗読隊」

明るく元気な男性二人組で、額にはヘッドライトをして、管楽器を持っての登場。
真っ暗闇のなか、北野勇作さんが
「飴のなかの林檎の話」
『たべるのがおそい vol.6』に収録されている作品。

何処か一風変わったな街で、奇妙なことに巻き込まれる。
「かめくん」や「カメリ」のような話を、
哀愁漂う口調で。

屋台のリンゴ飴にまつわる、もの哀しいけど、少し奇妙な物語。

11月3日の八幡製鉄所の起業祭のリンゴ飴の屋台は一軒だけ、
昔はもっとたくさん、あちこちにあったのに。
もう売れるものではないのかな?と。

北野さんの朗読に、合いの手を入れるようなサックス[m:427]



田中啓文さんは「三蔵法師殺人事件」を朗読。
歌いながら、明るい口調で落語みたいな感じで読みあげていく。
三蔵法師とお釈迦様の口調がよく、とても面白かった。
罰当たりなと思いながらも抱腹絶倒のオチでした。

「好きに書いていいですよ!」と言われて書いて、没になったとか。

児童作品にふさわしくないというよりも、タイトルからして罰当たりで、
これは世間様に出せないんだろうかと(;^_^A



観客は14人と大入り、
ラストは出演者4人全員でトークも良くて楽しい一夜でした。


キツネに化かされたような、いつの間にか迷い込んだか、夢で見たかのようなの二時間でした。