『ひょっこりひょうたん島』復刻版DVD製作秘話
2003年に発売されたNHKの人形劇
「ひょっこりひょうたん島」復刻版DVDにまつわる深イイ話です。
ひょっこりひょうたん島は1964年から1969年までの
5年間、NHKで放送されました。
大海原をさまよう「ひょうたん島」が舞台に
そこに住みついた5人の子供と5人の大人たちが
繰り広げる夢と冒険の物語。
のべ、1224回にわたって放送され
夕方の15分番組でありながら、
最高視聴率37.5％を記録。
当時の小中学生に絶大な人気がありました。
その後、NHKには再放送を希望する声が
数多く寄せられたのですが、
当時はビデオテープで非常に高価だったため、
放送を終えると、新たな番組を重ね録りしており、
映像は8話分しか残っていませんでした。
ひょっこりひょうたん島は二度と見ることができない
まさに幻の名作。
ーそして放送終了から22年経った1991年、
NHKはこの幻の名作のリメイクを決定。
ところが・・・
当時のVTRどころか、台本ですら4分の1も欠け、
ストーリーもわからない状態。
また、台本はあっても、登場したサブキャラクターの姿や
背景のセットもわからず、製作は難航しました。
そんな時、製作スタッフの頭に、
ある1人の人物が浮かびあがりました。
「そういえば、ひょうたん島が大好きな
あの少年がいたじゃないか！
オリジナルの世界観を壊さないリメイク版を作るには
彼を見つけ出すことが先決だ。」
少年とは、放送当時小学5年生だった伊藤悟くん。
実はこの伊藤くん、ひょっこりひょうたん島の大ファンで、
NHKの広報誌にもされたほど。
当時、セリフや美術セットなど
番組全てをある方法で詳細に記録していたのです。
60年代半ばはビデオテープどころか
テープレコーダーすら貴重品の時代。
その記録方法は、まさに驚きでした。
伊藤少年はどうやって番組を記録したのか？
とにかく台詞や背景などをスピード勝負で書きまくる！
そして終了後には2時間以上かけて清書する。
当時のノートには台詞、キャラクター、美術セットやカメラの動き、
最後のスタッフロールまで全てが詳細に記録されていたのです。
5年間、ほぼ全ての回を記録し、
ノートの数はおよそ100冊にも及びました。
伊藤少年のノートはリメイク版DVDの中に、
失われていた数多くのシーンやキャラクターを蘇らせたのです。
参照元：『人生が変わる1分間の深イイ話』
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