11/5(金)は仕事抜けて北区つかこうへい劇団「飛龍伝」@王子北とぴあを観劇する。主演の一人である逸見君から非常に嬉しいことにメールをいただいたのだった。仕事をほっぽり出して急ぐも遅刻してしまう。


つかこうへい氏が逝去されてから初の北区つかこうへい劇団オールスターによる舞台だった今回の「飛龍伝」、北区つかこうへい劇団のみんなが総力を結集したと言っても過言でないくらいに熱く充実した素晴らしい舞台だった。


「飛龍伝」は初見。これはまさしくつかこうへい氏の本で北区つかこうへい劇団の舞台だった。安保闘争の現場を舞台に愛し合ってはいけない立場の違う二人が出会ってしまった切なさに、観てて泣けてきた。差別とコンプレックスと、様々なものが透けて見えるつかさんの本は凄まじいものだった。後年、パッチギにも通じるボーダーラインのバカバカしさを訴えると共に人間の在り様を暴力的なまでに描ききったこの原作は永遠のものだろう。


その原作に応える北区の連中の演技もまるで炎のようだった。全力の青春が塊となって舞台から客席に雪崩れこんでいた。全員が一丸となって天国にいるつかさんを引きずり降ろそうとしていた。もしくは立派に成人した子供が親に現在の自分を見て欲しいと全身全霊で伝えているかのようだった。特に逸見君の長い長い台詞による女房への問い掛けにいつの間にか涙が溢れてきてかなり困った。


ラストあたり、学生と機動隊がぶつかるところでかかる映画「メリーゴーランド」のテーマが効果あげ過ぎ。それまで随所にかかっていたアイドル歌謡から一変、あれはズルイ。涙が出ないわけがない。


観劇後はしばし放心状態に。急いで戻らなければならず演者のみなさんに挨拶できないまま会場を後にした。



つかさん、北区つかこうへい劇団のみんなは凄いとこまで来てますよ。みんな本当につかさんの舞台を愛してるんだなあと観てて思いました。そしてつかさんのメッセージ、しかと受け取りました。北区つかこうへい劇団、真剣に観続けて行こうと思います。