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Season of plum work has almost come - plum juice, plum wine, pickled plums!! Couldn't wait till the harvest in a week or two, and began picking up the fallen ones to enjoy the scent of early summer... Love it.

1922年生まれの桑井いねさんの『おばあちゃんの知恵袋』という本。近所の素敵な古本屋さん「ととら堂」で出会い、完全にハマっております。主婦としてつつましく、でも誇りを持ってユーモラスに生きた「典型的な明治の女(ひと)いねさん」が魅力的で。

「はい、わたくしでございますか」という粋な一文ではじまり、シャキッとした日本語で伝承的な生活の知恵と思い出話を語る。凛としたいねさんの暮らしぶり、当時のひとたちのお互いさま文化、豊かな手作りの食卓に、ため息さえ出ちゃう。何度でも読みたい本のなかで、季節柄、皆さんと共有したかった一節を。

「庭の豊後梅の皮を一つずつ、ていねいにむいたものを、砂糖に埋め込むように漬けますと、三日ほどでグリーンのジュースができあがります。氷水で割りますと、まことに爽やかな飲み物となります。皮をむかず、針でついて穴をあけてジュースをとる法もございますが、皮を取り去ったあとの梅の実の爽やかなお味をひとたび知ってしまうと、皮のえご味の残ったものなんぞは、とてもいただけたものではございません。(中略)このジュースは翌年まではもとより、三年も五年ももちまして、色はだんだん濃くなり、しまいに琥珀色になってまいります。多少発酵することもございますが、栓が飛んだり、びんが割れたりすることはございません。(中略)梅酒の砂糖は、氷砂糖と言われましたが、あれは徐々に溶けてゆくのと、純粋の蔗糖のよさが取り柄で、砂糖の精製技術が低かった昔の名残だと思っております。ですからわたくしは、氷砂糖を探し歩くことはせず、いただきものの角砂糖、ときには三盆白を使いまして梅酒をこしらえております」

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うちの裏庭の梅からいい匂いがしはじめ、本格的に梅仕事をするのはいつも7月になってから。でも、こんな文章を読んだら梅ジュースを仕込みたくて、仕込みたくて。一足早くポトン、ポトンと落ちてきた梅たち、いねさんの言うように丁寧に皮をむいてから、甜菜糖に漬けてみた。そしたら、ああ幸せ♡ 夏を呼ぶ香りがしたよ。