今日は同じ町に住む子育て仲間、ネクスファの辻 義和くんにお話を聞いてきました。

千葉県柏市のネクスファ(http://next-ph.jp)は、子どもを中心におき、体験型の時間を大事にする民間の学童保育。学童部門も素敵だけど、今日はとくに併設している学習塾部門についての話。ポストお受験時代のいま、受験のための勉強ではなくて、考える力・共感する力を育む塾をやろうというのが、いい。しかも子どもにとって居心地のいい「ホーム」となっている学童施設に併設しているのが、とってもいい!

塾では、小学校高学年の子どもたち向けに「サス学」という名前でサステイナビリティー教育をしています。7~8人の異年齢チームで子ども自身が問いを立て、調査し、フィールドワークに行き、議論して、それぞれのやりかたで発表する。週に1回×10~15回、1学期まるまるかけて、ひとつのテーマに取り組みます。





<これまで実施してきたテーマ(一部)>
・食と農: 「食べること、農業のことを知ろう」
・エネルギー: 「天ぷら油が地球を救う!?再生可能エネルギーで夏祭り!」
・ライフデザイン: 「いまの自分を知り、未来の自分を考えよう」
・未来づくり: 「未来の仕事をつくろう」
・生き物の進化と環境: 「環境問題と、生き物の進化について学ぼう」
・スポーツと社会: 「未来のオリンピックをつくろう!」





「でも、なにかを調査して発表するのって、気が重かったりしません?私、小学生のとき歴史上の人物を調べて発表しよう!っていう課題、実は嫌だったな~」
という質問に対して、辻くんが言ったこと。

「夏休みの自由研究や宿題もそうだけど、感想文を書きましょう、そのために本を読みましょう・・・って、インプットしないうちからアウトプットを求められちゃうと、苦しいですよね。でも、自ら問いを立てて、体験型で自分の中に情報がたくさん蓄積されて、そのあとに "さて、じゃあこれをどうやって発表しようか" と投げかけると、伝えてみたいことはあふれるように出てくるんですよ。発表のスタイルも自由だし、仕上がらなければ途中のままで友達に共有してもいい。インプットもアウトプットも、強要はしません」






なるほどねー。そうだよねー。すごくいいなー。めちゃくちゃいいなー。だからこんなことを逗子でもはじめようよ、という趣旨の集まりだったのですが、なんだか・・・ これは私塾ではなくて、公教育の授業の中で取り上げられるべき話なんじゃないかという思いもフツフツ。どうやったら学校の中で「サス学」的なものが取り上げてもらえるのだろう。作戦会議は、続きます。





脱線するけれど、個人的に面白かったのが、1年生から大人までの皆が立てた問いを並べて、傾向性を見ていったときの話。

黄色い付箋(=低学年)には、びっくりするほど大きな問いがたくさん。
「どうしてこの世はあるの?」
「なぜ地球がまわるのが感じないの?」
「トマトはなんで赤いの?」
「どうして人はなく?」

ピンクの付箋(=高学年)になると、聞き知った知識の上に問いが立つことが多い。
「マグロがたくさん死んじゃったのはなんでだろう?」
「地球に人は、いつまで住める?」
「円周率はどこまで続く?」
「ロボットは敵か、味方か?」

緑の付箋(=大人)は、自分ごとが多い。
「好き嫌いはどこからくるのか?」
「人はなぜ忘れるのか?」
「なぜ打ち合わせが長くなるのか?」
「なぜみんなと同じだと安心するのか?」


大人になるにつれて、前提知識が増え、立てる問いに自分ごとが増えていく。これ、当たり前のようでいて、すごく「へえー!」と思いました。





あらためて感じたのは、小さな子たちが持っている大きな問いに対しては、理屈じゃなくて体験から、自分なりの答えを見つけるお手伝いをしたいということ。高学年の子たちの問いには、自分なりの実験や試行錯誤を自由にできる環境が必要だということ。そして大人には、思いをぶつけあう対話の時間が大事なんですね。

・・・なんてあーだこーだと話していたらあっという間の2時間。地域でいい場作りをしたい大人たちの高揚感、好きです。今日も楽しかった!


*「サス学」は、逗子では2018年開校予定で準備中。子どもの「ホーム」となる場所、絶賛募集中です。お心当たりのある方、ぜひ教えてください~♩

*この日に会を主催してくださったパパ友、東さんのブログに、より詳しい報告が!
 http://zushi.life/sasugakuzushi2/