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地に足ついた日本式パーマカルチャーの知恵がたくさんつまった四井さん宅、念願かなってようやく訪問できた。

ため息が出るほど、本当に素敵な場所だから、こういうことに関心がある人はぜひ毎月第4土曜日のオープンハウスに参加してほしいー。四井さんの暮らしの素敵さと本物感、きっと半分も言葉にならないと思うけれど、できる限りで感動をメモ&共有してみる。


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今の都会の一般的な暮らしは、ほぼ「買う→使う→捨てる」と一方通行のベクトルで成り立っている。自分の家で出すゴミがどのくらいの費用と燃料を使ってどこで焼却されているか、排水汚水はどこでどうやって処理されているか、自分の暮らしが地球や未来世代にどのくらい負荷をかけているか… そんなことは気にしなくても生活できるようになっている。

一方、四井さんの暮らしは下記の言葉通りに、循環のサイクルの中にある。自然との共生や手仕事で成り立つ暮らしはとても楽しげで、リアルで、素敵。パーマカルチャーのコミュニティや家々はオーストラリアでも訪れたけれど、日本の風土にあった循環型の暮らしをここまで極めている人がいるんだ、こんなに何でも自分の手で作れるんだ、とただただ感激した。


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(芋からのコンニャク作り♡)


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以下、四井さんの事業「ソイルデザイン」(http://soildesign.jp/)のウェブサイトより:



ソイルデザインの使命はひとつ。

人がそこに暮らすことで、その「場」がより豊かになるような
暮らしのしくみ「小さな地球」をつくること。

自然環境に負荷を与えない暮らしをするだけではなく、
人が愉しく生活しているうちにその「場」の土や植物や動物たちがもっと生き生きするような、
多様性があり循環する豊かな環境が育っていく本来の地球のしくみを暮らしの中につくることです。

もしも一世帯一世帯が小さな地球の暮らしをつくっていけば、点と点が線となり、線と線が面を作り、やがて世界はきっと本来の地球の力を取り戻し、本当の豊かさを取り戻すはずです。

暮らしを愉しむことで、世界を変える。

そのしくみを考え、デザインすることがパーマカルチャーであり、
より日本の伝統的な暮らしや文化にそったかたちでライフスタイル提案していくことが、ソイルデザインの仕事です。




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以下、たくさんあった「へえー」ポイントの中から印象的だったものをいくつか。

<アースオーブンとかまど>

少ない燃料で効率よく調理するために日本で発達した道具が、かまど。いま近所ではアースオーブンを作るのが流行っていて、私自身も「ピザ釜を庭に☆」なんて永遠の夢。だけど、四井さんいわく「オーブンもいいけど、結局、洋物だからねえ。2時間近く火を調節しないと400度にはならないし、人が来ないとなかなか火を入れないな。かまどなら、すぐ火がついて、ご飯が炊ける。汁物が作れる。熱効率は断然、かまどのほうがいいし、家族で普段使いするのはこっち。かまどはレンガが150個あればわりと簡単に作れるし、そのレンガも、買わずに日干しレンガを自分で作っちゃえばいいよ」

…なるほどー。しかも、日干しレンガの作り方も、かまどの作り方も、オープンソース。四井さんの著書「火をあつかう知恵」(農文協)にぜーんぶ書いてある。うちでも、やるしかないかしら。

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(ちなみに、言うまでもなく、アースオーブンで焼いたラザニアもピザも焼きリンゴは絶品だった。やっぱり、どっちもあったらいいな。笑)



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<排水浄化システム/バイオジオフィルター> 

四井さんの手で美しく敷き詰められた庭の石段の下には、実は生活排水のパイプが通っている。パイプの水は、砂利や砂など何層かのフィルターを通ってビオトープへと流れ込む。排水の成分はビオトープの栄養となり、その水は畑の水やりに使われる。家で使った排水を家の中で浄化して再利用できる循環、すばらしい。このシステムを、家で完結させずに地域規模でつくれば、まだ栄養が含まれている水を水田などに使うこともできる。


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<雨水タンクは1万リットル!> 

ごかんのもりでも、皆で苦労して1トン(500リットル×2)の水を溜められるタンクを設置したけれど、1万リットルもの巨大なタンク、日本の民家で初めて見た。普段は畑に使うけれど、砂利・砂などの浄化フィルターを通せば、いざというときは飲み水になる。その仕組みを持っておくことって循環を大事にしようということだけでなく、何があっても家族が生きていくための安全保障でもあるんだな。


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<堆肥をつくる>

水洗トイレに流されたものは、土に戻らない。さらなる費用とエネルギーを使って、処理される。コンポストトイレの中身は堆肥として土に返される。これも、人間の食べ物と土との間の循環の回復。

四井家では人間の排泄物はもちろん、山羊・鶏・うさぎの排泄物もそのまま堆肥にしていた。こんもりと盛られた落ち葉やおがくずの上に居心地が良さそうに暮らす動物たち。発酵の温度であったかいのも、天然の屋外暖房だね。

個人的には、お○っこから作った液肥が、首の長いオシャレな丸瓶に入って素敵なインテリアにもなっていて衝撃ー!見せかたって大事ですね。


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家の中の素敵な手作りの数々にも、目を見張るばかりだった。子どもたちのおもちゃやテーブル、椅子はもちろんのこと、醤油しぼり機を自作(!)するための試作で素敵な水差しが、昔ながらの工法で作ってあった。

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自家養蜂してとった蜂蜜は絶品。みつろうは万能な天然ワックスとして製品化。薪ストーブで初冬の八ヶ岳だというのに家の中は常にポッカポカ。きれいに刈られた稲が干してあり、たくあん用の大根もたくさん軒下に。大豆は家族の1年分の味噌を作ってあまりある量を収穫&脱穀作業、そのすぐあとに小麦を植えて輪作にも成功していて。作業している大人はご夫婦2人だけなのに、もう信じられない!すごいー!


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・・・ほかにもたくさんあったけれど、今回はこのくらい。


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珍しく体調があまりよくない中、強行訪問したから、四井さんの素敵なお宅と平太くんの美味しいご飯にただぼけーっと感激し、ただ癒されて帰宅した感がある。循環する家の秘密、たぶん半分も聞けていない。でも、細かい話を掘り下げて聞かなくても、すべて手作りで丁寧に紡がれた暮らしに触れて、感じて、腹落ちしたものはたくさんあって。

衣食住にまつわるすべてを「買う→使う→捨てる」のが当たり前な社会は、長~い人間の歴史の中でほんの100年の話。衣食住のアウトソースを少しずつでもやめて手作りの循環を作ってみると、大変なぶん、幸せと知恵が蓄積される。そしてその蓄積は気づかぬうちに、壊れつつある世界の循環システムにも働きかけることになる。気がする。


わー、もっと手作りしよう。もっと自然とコラボしよう。
と思いました。四井さん、平太くん、ありがとう!