「ねえ、学校の先生って、どんな人だったらいい?」
この春から新1年生と、新3年生になる娘たちに聞きました。

「幼稚園の先生みたいな人!」
「幼稚園の先生か。幼稚園の先生がいいのは、どんな人だから?」

「優しくて、いっぱい一緒に遊んで・・・ 子どもの気持ちがわかるから」
「そうだねえ。子どもの気持ちがわかるって、大事だよね。桃は?」

「うーん・・・すぐに怒ったりしない人」
「そっか。小学校の先生、すぐに怒るか。どんなときに怒る?」

「みんながふざけてたりするときとか。キッと勉強しますよ、みたいなモードに入ってさ、いかにも教えます、みたいな感じ」
「確かに、教えます、って感じはキツいよね。子どもだっていろいろわかってるのにね」

「うん、教える、じゃなくて、一緒に考える、みたいな先生がいいんだよね」
「そうだよねー。一緒に考えるには、どうしたらいいんだろね」

「なんかさ・・・ もう、子どもたちから教科書とか取り上げちゃってさ、いろいろお話してくれるのがいい。教科書には答えが書いてあるし、あれを見てても別に、つまんないんだよね」
「教科書どおりに進むんじゃ、まあ、面白くはないよね。でも、学校そのものも、つまんない?」

「うん、つまんないよ」
「まじ!」

「まあ、友達に会えるから行くけどね」
「だよね。じゃあさ、本当は学校でなにを知りたい?なんでも、勉強することを自分で決めていいとしたら」

「国旗の意味が知りたい。あと、戦国武将とか、世界の英雄たちの話を先生に話してほしい。あとはー、いろんなものの作りかた。超豪華なおいしい料理の簡単な作りかたとか、英語とか、かなー」
「まず国旗!笑 あとは、世界をつくった人物伝と、お料理か。聞いてみないとわかんないもんだね。まあ、じゃあ、そういうのは、とりあえず、家でやろう。 杏は?」

「え、ウチ?森のはなし」
「も、森の話?」

「そ。しょくぶつの名前とかー、ヤシャブシは染めるとこんな色になるよ、とかー、アオキは毒があるよとかー、春のざっそうはからだをあたためるよ、とかー」
「へー。それは確かに、めちゃくちゃ大事な勉強だよね。他には?大人になる前に、これは勉強しときたいなって自分で思うこと、ある?」

「あるよ。パーマのれんしゅう!」
「え?」

「だから、パーマのれんしゅう!ウチ、美容師さんになって、サロンひらくからさ」
「あ、そっか・・・。笑 ありがとう。 
 桃は?大人になる前に、これだけは自分でも知っとかなきゃな、学んでおきたいなーと思うことってある?」


「子どもたちへの話しかた!
 大事なことを子どもたちに伝えるときの、やりかた!
 それはぜったい、大人になるまでに自分でわかりたい!」


あっぱれ。聞いてみるものですね。
桃から迷いなく出てきた最後の答えにはなんかもう、泣きそうになりました。

本当そうだよね。子どもは全部わかってるね。いやー、もう、これからの教育をどうするかなんて、大人で議論するの、やめたほうがいいんじゃないでしょうか。笑 

聞いてみて、私はわかりました。大人が教えたいことと、子どもが学びたいことの擦り合わせが、まったくできてない今の現状!その乖離は・・・ とりあえずのところは、家で埋めたらいいのかなとも、親として思いました。(「パーマのれんしゅう」は・・・どうしよう。笑)


さて、私がなぜ「どんな人に先生になってほしいか」「なにを学びたいか」を子どもたちに聞いたかというと、ピースボートがこの夏から、世界をめぐる、教育志望者向けのプログラム「グローバル・ティーチャーズ・カレッジ」をはじめるからです。

上記の話をしたあとで、

「ねえ、これから学校の先生になる大人がさ、地球一周して、世界中で子どもに出会って、世界中の教育現場を訪ねて、世界中の面白いこと、紛争や貧困の現場の話をできる人が学校の先生になったら… いいよね。絶対いいよね。そんな先生の話、聞きたいよね?」

と聞いたら、

杏さん「先生じゃなくて、ウチが乗りたいよ!ピースボート!」
桃さん「ま、そういう体験も、ないよりはいいんじゃない」

・・・。


いや、だから、やってみないと効果のほどはわからないですけどね、やっぱり、なにが大事って、大人が「知ってるつもり」にならないことが一番大事だと思うんです。

地球一周の旅を通して、広い世界に出会い、それまで自分が「当たり前」だと思っていたことをスコーン!と覆されること。「自分の常識なんて、小さな世界だ」「自分の知っていることなんて、世界のほんの一部にすぎない」と知り、「だから、これからも(子どもに "教える" というよりも)子どもたちと "一緒に学び続けたい" 」と思う人が先生になること、それが大事なんじゃないかと思うんです。

グローバル・ティーチャーズ・カレッジは、教育志願者の仲間とともに世界中の教育現場を訪ねる企画。しかも、仲間たちとともに、これまでに3000人以上の若手教員を指導してきたプロのファシリテーターと昼夜語り合うことができる3ヶ月間。

教育を志すすべての人にぜひ体験してほしいプログラムなのですが、なにぶん生みの苦しみで、告知が十分にできていないのが現状です。はじまる前につぶれたら絶対にいやだー!と応援する気持ちで、本プログラムのファシリテーターの Midori Takeda さんをインタビューしました。

前編、中編、後編ともに、武田さんの思いがギュッと詰まった内容です。関心を持ってくださった方、ぜひご一読ください。

前編・グローバルティーチャーズカレッジとは
http://peaceboat.org/12523.html

中編・シンガポールに見る、グローバル教育最先端
http://peaceboat.org/12944.html

後編・オランダのイエナプラン教育
http://peaceboat.org/13233.html


そして、4月3日(日)に大阪で、4月10日(日)に名古屋で、4月17日(日)に東京で、グローバルティーチャーズカレッジの説明会を行います。関心のある方、ぜひお気軽に足をお運びください!

◎グローバル・ティーチャーズ・カレッジ公式ページ
http://www.pbcruise.jp/gtc/index.html#area_05
(*説明会のご予約も、こちらのページから)


子を持つ親の、心からの願いなんです。
子どもたちに関わる思いある大人たちに、世界中で子どもに出会ってきてほしい。世界中の教育現場を訪れてみてほしい。世界がこんなにも美しいこと、人があったかいことを体験して、「自分はまだまだ何も知らない」ことをガツンと思い知ってきてほしい。日本の常識・非常識を、子どもの未来のことを、3ヶ月間、青臭く仲間と語り合ってきてほしいんです。

どうかどうか皆さま、思いある先生のタマゴのご友人・知人に、このプログラムのことを伝えていただけたら嬉しいです。

子どもたちの学びの場が、昨日よりも今日、今日よりも明日、より楽しい場所になりますように。私も親のひとりとして、できることを模索し続けたいと思います。

長文を最後まで読んでくださり、ありがとうございました!