Cinema Canning vol.4 - Catharine's Chinotto. Wisdom of delicious juice and how to reuse the peel and spices shared. Loved it.

 

キャサリンさんの、大ファンなんです。

 

なので今日は、ちょっと暑苦しいレポートを書きます。(あ、いつもかw)

 

 

 

 

シネマアミーゴ源くんのお母さま、長島キャサリンさんは、逗子在住60年の大先輩。

 

毎月、市内でリペアカフェやニットカフェを開催し、なんでも自分で作っちゃう。トレードマークのチャーミングなニットキャップも、もちろんお手製。子育て期には逗子の森里川海を守るために熱心に動き、いまなお横浜市大でサステイナビリティーを教える先生でもあります。

 

 

先日、瓶詰めと映画の会「シネマキャニング」に、そんな彼女を講師としてお招きしました。

 

一緒に作ったのは、キャサリンさんが「すごいレシピがあるの」とこっそり教えてくれた「キノット」。

 

逗子の(自分で植えた)夏みかんで50年、マーマレードやパン、スイーツを仕込んできた彼女に教わる夏みかん仕事。ワクワクです。

 

 

 

「キノット作りに使ったスパイスは、ピールと丁寧に分けたら、もう一度使えるの。天日干しにして、片栗粉をまぶして、ミルでひけば、美味しくリユースできるから」

 

「夏ミカンとスパイスを焼いた後は、鉄板に残ったおこげまで、お湯とシロップの残りを注いでいただくの。私はね、それを “キノット・カラメル” と呼びます」

 

「残りものピールを刻んで、溶かしたチョコレートとバターで丸めてココアをまぶしたら、ほら、大人っぽいおやつになるでしょう」

 

「都会の人は、今日何を作ろうかしらと思って、レシピのためにお買い物に行くでしょう。私はね、いつも、あるものでやるの。昔はお金もなかったしね。今もそれが楽しいのよ」

 

 

 

 

映画館とその近所いっぱいに、夏みかんとスパイスの香りが広がり、香りに包まれながらみんなで手仕事。

 

キャサリンさんは、1931年初刊発行のハーブ図鑑を片手に、ローズマリーやクローブ、カルダモンの効能を教えてくれました。

 

はー、幸せ。

 

あるものでやれば、いいんだな。

捨てるものなんか、何もないんだな。

私もキャサリンさんみたいに、年を重ねたいな。

 

夏は炭酸でシュワっと、冬はお湯わりでホッとできるキノット作り、町中に夏みかんが実る町・逗子での定番にしよう。

 

教わった知恵、キャサリンママのあたたかさと共に、この町の子どもたちにもつないでいこう。

 

そう決めました。

 

 

 

 

そして、そして、

 

キノットを仕込んだ後に観た映画が、また、最高にすばらしくて・・・

 

「人生フルーツ」

http://life-is-fruity.com/

 

 

 

修一さんと英子さんは、二人合わせて177歳。

 

修一さんが50年かけて育てたキッチンガーデンを彩る70種の野菜と50種の果実は、妻・英子さんの手で美味しいごちそうに変わ理ます。その様子は、うっとりを通り越して、ため息です。

 

丁寧に庭づくりする修一さんと、刺繍や編み物から機織りまで、何でもこなす英子さんの笑顔。寄り添う夫婦の姿。

 

「ふきのとう お楽しみ!」

「小鳥たちの水 どうぞ」

「アテンションプリーズ! 頭に注意」

 

修一さんが作る、庭の小さなボードたちに添えられた一言一言がまた、素敵で。

 

 

 

お二人が若き日に「里山を取り戻そう」と仲間たちと植樹した禿山は、お二人の晩年に、それはそれは豊かに茂った森に変身していました。

 

その森の姿を観たあたりから、涙腺崩壊。

 

種を蒔けば、森が育つ。

みんなで動けば、風景が変わる。

 

当たり前のことが、本当に、心に沁みたのでした。

 

 

 

 

映画を観ながら、心の隅で思い出していたこと。

 

キャサリンさんと(お連れ合いの建築家)孝一さんは、かつて、地元の公園を設計しました。

 

「それをね、住民参加で作り上げました。そのとき、みんなで公園に夏みかんを植えたの。みんなで食べたらいいねって」

 

いま、その公園では私たちの子どもたちが遊んでいて、たわわに夏みかんが実っています。(久木のローラー公園です、地元の皆さん♡)

 

キャサリンさんがそれを話してくれたときは、

 

「今の私たちと同じことをやっていた大先輩が、この町にはいた」

 

と知り、本当に感動しました。

 

いま子育て世代の私たちがやっている そっか の活動だって、ゆっくりでも必ず繋がっていく。大人たちが楽しげに、海で遊び、野草をつみ、種をまき、果樹を育てているのを見ながら、隣で遊んでいる子どもたちに。

 

修一さんと英子さんの育てた森を見ながらそんな確信も降りてきて、もうどうしようもなくなり。

 

久しぶりに、映画を観ながら、

ひっくひっく泣きました。

 

これでいいのだ。

 

 

 

 

風が吹けば、枯葉が落ちる。

枯葉が落ちれば、土が肥える。

土が越えれば、果実が実る。

 

こつこつ、ゆっくり。

 

 

「家は、暮らしの宝石箱でなくてはいけない」

 (by ル・コルビュジエ)

 

「すべての答えは、偉大なる自然の中にある」

(by アントニ・ガウディ)

 

 

 

 

はー。

いい映画だった。

 

種を蒔こう。

丁寧に暮らそう。

なんだって自分で作ってみよう。

優しく生きよう。

 

夫婦って、いいなあ。

人生って、いいなあ。

 

 

 

 

というわけで。

 

「人生フルーツ」は、5月以降、逗子ではシネマアミーゴで上映します。ぜひ観てね。

 

 

 

次回シネマキャニングは、5月26日(金)。

 

今度もまた、ものすごい映画 “Tomorrow - パーマネントライフを探して” を上映し、絶品の瓶詰めを作ります。お楽しみに〜! 

 

詳細は:

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