「まだ生きてると思ったから」


ゴミ置場に置かれていた観葉植物を連れ帰った理由を

聞いた。


1m程の高さがあり、2本の幹の先についている大きな葉

はどれも枯れはじめている。


その大きさに比べ支える鉢はとても小さく、底の穴の空

いた部分から根っこが飛び出し、置きづらい。


さて…どうしたものか。


観葉植物についての知識は乏しかったが、世話係任命

を断ることもできず、引き受けた。


とりあえず、植え替えしてみよう。


近くのスーパーに園芸コーナーがあったのを思い出し

土、鉢、鉢底ネットなど、必要だと思った物を買った。


新聞紙と買った物を並べ、鉢から抜くことに。

しかし、抜けない。抜ける気配もない。


新聞紙の上で格闘。

手伝ってもらい、どうにか抜けた。


鉢の形になった土と根っこ。

子供の頃に砂で作ったプリンを思い出した。


古い土は落としたが、何百本とある根っ子が固まったま

まで解くことができない。


このまま新しい鉢に植えてみよう。


土のパッケージの裏に書かれていた「植え替え方」を

見ながら、植え替えた。


水をあげて、窓際に置いて様子を見ることにした。


一週間後。

枯れはじめていた葉は、元気にはなっていない。


二週間後。

葉が枯れた。

もう一度、鉢から出してみた。


根っこの固まりをどうにかしよう。


細く元気のない根っこをハサミで切る。


元気がなくても生きていることを感じる根っこを切る

のは、血管を切っているようで気が重い。


床の上に座り込み、二時間かけてようやく型ではな

い普通の状態の根っこになった。


枯れた葉も切り、鉢に戻す。


土に枝が刺さっているような姿は、観葉植物には見

えない。


その日からまた一週間。

変化なし。


二週間経過。

変化なし。


「根っこを切り過ぎたかもしれない」「もうだめかも」と

思いはじめた三週間後、1本の幹から新しい葉が出た。


続くようにもう1本の幹からも新しい葉が出た。


青々とした葉に触れた。

柔らかく、生命力がみなぎっていた。


葉は日に日に育ち、新しい葉が次々に出てくる。


その成長と水をあげながら話しかけるのは楽しみの

一つになり、部屋に潤いと癒しを与える存在感のあ

る立派な観葉植物にまでなった。


この観葉植物の名前を調べたら、「幸福の木」だと

いうことがわかった。


「出来すぎだ」と思いながらも、たまに花をつけるこ

とがあることを知り、花を咲かせる日が来ることを

願うのも楽しみの一つに追加した。


~ おわり ~




このお話は… 実話です。


今年あった感動した出来事です。


「幸福の木」だと知ったのは、今日です(;´▽`A``

ブログに書こうと思って調べてわかりました。


植物の生命力、すごいです。

葉っぱに触っていると、気持ちいいんですよ。とっても!


葉が出る前の姿の写真は撮っていませんが、現在

の姿を(・-・*)


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