語録 | 木下英範のブログ

語録

「仮に或る人が待合へ行って芸者を招んだり、贅沢な料理を食べたりして二千円を消費したとする。その金は転々として、農、工、商漁業者等の手に移り、それが又諸般産業の上に二十倍にも三十倍にもなって働く。故に個人経済から云えばに千円の節約をすることは、其の人にとって誠に結構であるが、国の経済から云えば同一の金が二十倍にも三十倍にもなって働くのであるから寧ろそのほうが望ましい訳である。ここが個人経済と国の経済との異なっている所である」

(高橋是清)