里山いう言葉に似た「里海」という大事な言葉があることを、日曜日のNHK番組「地域発!いのちのうみ里海は守れるか」を見て知りました。
里海は、下の解説にあるように「人手が加わることによって生産性と生物多様性が高くなった海」を意味する造語。今、瀬戸内海は、いのちのうみとは言い切れない状況にあります。それを図式で我流で表現します。
● 森+川+海の近くに住み人の努力の結晶、 つまり今風に云えばコラボレーションの結果、自然の恵みとして美しい海の幸を生み出し それらを、森や川の人たちにご恩返しとして、フィードバックする循環システムになっています。
● 森+川+海のコラボレーションが上手くいっていないばかりか、団地開発、護岸工事などの箱物化がドンドン進み、治山治水が上手くいかず、森の人手不足で、間伐が出来ないで、ひょろひょろ杉などが多く、下草は生えないなど森の保水力低下が、現代の問題になっています。
● その結果、大雨の時にはストレートに海に泥などが、海に流れ込み、「干潟」という天然のフィルターが破壊されて、生活用水も加わり、海底にはヘドロ、干潟は酸素不足で、硫化水素が発生して、海草は枯れ、いかなごの棲み家もなくなり、潮干狩りをしても、あさりが採れません。
● そこで賢明な人々が「人と海の関係の修復」し再びあさりの取れる干潟を海に、そして次の世代のために森+川+海の連帯が始まっています。「漁師が山に上がる」といえば、漁村では悪い言葉だったのですが、今や、漁師の人々も山に入って懸命に植樹しています。
● タイトルの「海も畑みたいに耕すのです」というご婦人の発言は、正に「里海」の修復に汗を流す人に貴重な言葉だったのです。酸素不足で硫化水素が発生した干潟を一生懸命に、丸で畑を耕すの農婦のように、農具で海を耕す姿が、テレビで放映されていました。この真摯な取組に感動を覚えた方も少なくないと思います。
里海を守る大事さアピールしている記事の抜粋を参考までに引用します。
『里海を保全し、持続可能な形で活用していくための取組が重要です。
里海は、大自然や荒々しい自然ではなく、半自然、中自然の里山のように人間が海と共にくらしてきた文化が色濃く残されているような,里とその海辺を表わしています。この地区には,浜辺・磯場・漁業・漁港・神社・まつりなどさとうみと呼ぶにふさわしい自然・社会環境が残されています。
「里海」は,人手が加わることによって生産性と生物多様性が高くなった海を意味する造語で、公害等による極度の汚染状態をある程度克服したわが国が次に目指すべき「人と海との理想的関係」をアピールしています。人工湧昇流や藻場創出技術,海洋牧場など世界に誇る様々な技術に加え,古くから行われてきた漁獲量管理や藻狩の効果も再考される必要があります。』
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