鳴海です。
側弯症の報告⑥です。
今回はどこをどうすればよくなるということではなく、
逆に”何をしたら悪くなってしまった”という
側弯症の方に対してNGとなる内容です。
⑥ 側弯症と悪化事例
さてどのような手法を用いた時に
悪くなってしまうのかということなのですが、
人間は骨格的なゆがみが生じる際には
横に広がるようにできています。
ここまでの内容で構築性側弯症の方の多くは
脊柱周囲の結合組織が脆弱・栄養不足などの状態
である可能性が高いという仮説が立ちます。
僕が側弯症を一時的に強くしてしまったのは
四肢を牽引するタイプの手技です。
横に変位して細長くなっているのにもかかわらず
四肢を牽引したがためにより
弯曲が一時的に強くなってしまいました。
*もちろんその時はかなり焦りましたが、
その場で仮説を立て、もとに戻す方向で調整し
事なきを得ました汗
また来られる方で、多かったのは
マッサージ・整体で背部の指圧をされた後に
側弯が強くなっているという訴えでした。
横に広がり結合組織がゆるい状態なので
背部から押されるとうまく戻れないのかもしれません。
先ほども書きましたが横方向に変位するので
背部から押すと、それを増長する可能性があります。
まとめると考え方は
・骨格は横方向へ変位していく
・結合組織の脆弱さを考えると牽引する手技は
結合組織をさらに緩ませ側弯を悪化させる可能性あり
・背部の圧迫も同様に横方向への変位を促してしまう可能性あり。
もちろんこれらもエビデンスはありませんが、
私の経験則と見聞からの臨床推論です。
せめてもの参考になればと思います。
さて、次回からは実技についてです。
(社)TACTリハビリテーション研究会
代表理事 鳴海裕平